日給の職人は最低賃金を割っていない?2026年10月からの日給早見表(東京1,280円・大阪1,231円)
2026年度の最低賃金は全国加重平均(働く人の数で重みを付けた全国平均)1,177円で、東京1,280円・大阪1,231円は2026年10月1日、京都は11月16日、沖縄は12月2日(予定)から発効します(※2026年9月時点)。日給は「日給÷1日の所定労働時間」で比べ、所定8時間なら東京は10,240円、大阪は9,848円未満で割ります。残業などの割増分、賞与、精皆勤・通勤・家族手当は入れません。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます従業員5人の塗装会社。夜、事務所の机で、社長がテレビで流れる「最低賃金、10月から引き上げ」のニュースを横目に見ています。見習いの若い子の日当は1万円。「1万円も出してるんやから、最低賃金は関係ないやろ」とずっと思ってきました。ただ、その子は朝7時半に資材置き場へ集合して、夕方6時に解散。休憩は昼に1時間。試しに電卓で「10,000÷9.5」と叩いてみると、思っていたより小さい数字が出て、手が止まりました——。これは、日給で職人を雇う会社で起こり得る場面です。
「日当の金額は大きいのに、時間で割ると足りないことがあるのか」。この記事では、2026年10月から順次上がる令和8年度の最低賃金(47都道府県の額と発効日)と、所定7.5/8/9時間の日給の早見表を示したうえで、日給・日給月給の職人が最低賃金を割っていないかを、何を、何時間で割り、何を外して比べるかの順に整理します。最後に、給料日前に使えるチェック表も付けています。

日当1万円でも、最低賃金を割ることはありますか?
あります。2026年10月1日からは、所定労働時間8時間の日当1万円でも、東京(1,280円)と神奈川(1,279円)では最低賃金を下回ります。 最低賃金は「1日いくら」ではなく「1時間いくら」で判定するため、10,000円÷8時間=1,250円と比べることになるからです。日当の総額が大きく見えても、1日に長く働いてもらっていれば、1時間あたりの額は下がります。
最低賃金法第4条第1項は、会社(使用者)に対し、最低賃金の適用を受ける労働者へ最低賃金額以上の賃金を支払うよう義務づけています。地域別最低賃金は時間額で定められているため、日給や月給で払っている会社は、自社の賃金を時間額に直してから比べる必要があります。
さらに第4条第2項では、最低賃金に達しない賃金を定めた労働契約は、その部分が無効になり、最低賃金と同じ定めをしたものとみなされます。つまり、
- 雇用契約書に「日当1万円」と書き、本人が納得していても
- 時間額にすると最低賃金を下回っているなら
- その差額は、会社が払うべき賃金として残る
ということです。「本人がそれでいいと言ったから」は、最低賃金については通りません。
所定7.5/8/9時間なら、日給いくら未満で割りますか?(2026年度の早見表)
主な都道府県について、令和8年度の最低賃金×1日の所定労働時間で、これを下回ると最低賃金割れになる日給を出しました(円未満は切り上げ・※2026年9月時点)。
| 都道府県(発効日) | 最低賃金 | 所定7.5時間 | 所定8時間 | 所定9時間 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道(10月1日) | 1,131円 | 8,483円 | 9,048円 | 10,179円 |
| 宮城(10月1日) | 1,098円 | 8,235円 | 8,784円 | 9,882円 |
| 埼玉(10月1日) | 1,196円 | 8,970円 | 9,568円 | 10,764円 |
| 千葉(10月1日) | 1,195円 | 8,963円 | 9,560円 | 10,755円 |
| 東京(10月1日) | 1,280円 | 9,600円 | 10,240円 | 11,520円 |
| 神奈川(10月1日) | 1,279円 | 9,593円 | 10,232円 | 11,511円 |
| 愛知(10月1日) | 1,195円 | 8,963円 | 9,560円 | 10,755円 |
| 京都(11月16日) | 1,180円 | 8,850円 | 9,440円 | 10,620円 |
| 大阪(10月1日) | 1,231円 | 9,233円 | 9,848円 | 11,079円 |
| 兵庫(10月1日) | 1,172円 | 8,790円 | 9,376円 | 10,548円 |
| 広島(10月11日) | 1,141円 | 8,558円 | 9,128円 | 10,269円 |
| 福岡(10月4日) | 1,114円 | 8,355円 | 8,912円 | 10,026円 |
| 沖縄(12月2日予定) | 1,086円 | 8,145円 | 8,688円 | 9,774円 |
- 比べる日給は、残業・休日・深夜の割増分や、精皆勤手当・通勤手当・家族手当を除いた額です(除く賃金は後の章で整理します)。
- 発効日の前日までは、改定前の額が適用されます。例えば京都は11月15日まで、沖縄は12月1日まで(予定)、改定前の額です。
- 所定労働時間は、休憩を除いた「通常の勤務時間」です。日によって所定労働時間が違う会社は、1週間の1日平均で割ります(最低賃金法施行規則第2条)。
- 所定9時間の列は、1年単位の変形労働時間制(繁忙期と閑散期で、1日の所定労働時間を年間で振り分ける仕組み)などで所定労働時間を9時間と定めている場合の数字です。変形労働時間制を使っていない会社の所定労働時間は、1日8時間までです(労働基準法第32条)。
- ここにない都道府県は、後の章の「47都道府県の表」にある所定8時間の列を見るか、自社の最低賃金×所定労働時間で計算します。
所定9時間で日当1万円なら、1時間あたり約1,111円です。改定後の額と比べると、東京・大阪・愛知・福岡など23都道府県で最低賃金を下回ります。社長にとって大事なのは、金額の大きさで判断する癖を、時間額で確かめる手順に置き換えることです。一度計算の型を持っておけば、毎年の改定ニュースを見るたびに「うちは大丈夫やろか」と気をもむ代わりに、表の1行と電卓で答えを出せるようになります。
日給の職人は、どう計算すれば最低賃金と比べられますか?
基本の式は「日給÷1日の所定労働時間」です。 最低賃金法施行規則第2条は、日によって定められた賃金を、その金額を1日の所定労働時間数で割った金額に換算すると定めています。所定労働時間とは、会社が就業規則や雇用契約で決めた「通常の勤務時間」のことで、実際に残業した時間は含みません。
ここで、冒頭の社長の電卓に戻ります。「10,000÷9.5」は、集合から解散までの時間から休憩を引いた、実際に働いた時間で割った数字です。最低賃金の判定式とは違います。問題は、その9.5時間のうち、どこまでが所定労働時間で、どこからが残業なのかを会社が決めているかです。
集合から解散まで、何時間働いていることになりますか?
会社が資材置き場への集合を指示し、そこから一緒に現場へ向かうなら、集合時刻から労働時間と判断されることがあります(詳しくは現場への移動時間は労働時間?)。7時半集合・18時解散・休憩1時間なら、労働時間は9.5時間になり得ます。
一方、変形労働時間制を使っていない会社では、法定労働時間は1日8時間です。1日8時間を超えて所定労働時間を決めることはできず、超えた分は時間外労働として割増賃金の対象になります(残業をさせるには36協定も必要です)。
日当1万円の3つの見え方
同じ「日当1万円・9.5時間労働」でも、日当の決め方によって最低賃金と比べる額が変わります。ここでは、2026年10月1日から大阪府で適用される1,231円と比べてみます(※2026年9月時点)。
| 日当の決め方 | 最低賃金と比べる時間額 | 大阪(1,231円)との比較 |
|---|---|---|
| ① 1万円は所定8時間分。超えた1.5時間の残業代は別に払っている | 10,000円÷8時間=1,250円 | 上回る(差は19円) |
| ② 1万円を9.5時間で割っただけ(社長の電卓) | 10,000円÷9.5時間=約1,053円 | 判定には使わない数字 |
| ③ 1万円に1.5時間分の残業代も含めた、という前提で内訳を計算する | 8時間分+1.5時間×1.25=9.875時間分で1万円 →10,000円÷9.875=約1,013円 | 下回る |
①の会社なら、大阪では日当1万円は最低賃金を上回っています。ただし差は1時間あたり19円しかなく、残業代1.5時間分を毎日きちんと別に払っていることが前提です。同じ①でも、東京(1,280円)や神奈川(1,279円)の最低賃金が適用される会社なら下回ります。
③は、「残業代も込みで1万円」と考えてきた会社の姿です。残業分を除いた通常の賃金だけで時間額を出すと、同じ1万円でも最低賃金を大きく下回ります。しかも、1万円のうちどこが残業代かを契約で決めていなければ、そもそも残業代を払ったとは認められないおそれがあり、最低賃金の問題と未払い残業代の問題が同時に出てきます(後の「手当や残業代」の章で扱います)。
規定例(日給の内訳)
規定例(条文イメージ):日給は、1日の所定労働時間(8時間)の労働に対する賃金とする。所定労働時間を超えて労働した場合は、日給とは別に、第◯条に定める時間外勤務手当を支給する。
どこまでが日給の対象時間かを一文で書いておく作例です。所定労働時間の長さや、土曜だけ時間が短いなど日によって所定が違う場合の書き方は、自社の勤務カレンダーに合わせた調整が必要です。日によって所定労働時間が異なる会社は、最低賃金法施行規則第2条により、日給を「1週間における1日平均所定労働時間数」で割って換算します。
日給を時間単価に直す考え方そのものは日給月給の建設業、就業規則に絶対入れるべき賃金規定でも整理しています。「日給は何時間分か」が紙に書いてあれば、社長は電卓で割る数字に迷わなくなり、職人に「1時間いくらになるんですか」と聞かれても、その場で同じ答えを出せます。
日給月給や月給の職人は、何時間で割ればいいですか?
月額で決めた賃金は「月額÷1か月平均所定労働時間」で時間額にします。 最低賃金法施行規則第2条では、月によって定められた賃金は、月の所定労働時間数で割り、月によって所定労働時間数が異なる場合は1年間の1か月平均所定労働時間数で割ると定めています。建設業では、夏と冬、繁忙期と閑散期で出勤日が違う会社が多いため、1か月平均を使う場面がほとんどです。
1か月平均所定労働時間の出し方
- 就業規則や年間カレンダーから、1年間の休日の日数を数える
- 365日から休日を引き、年間の所定労働日数を出す
- 年間所定労働日数×1日の所定労働時間で、年間の所定労働時間を出す
- 12で割る
仮の例:年間休日105日、1日の所定労働時間8時間の会社なら、(365日−105日)×8時間÷12=約173.3時間 です。
「日給月給」は、どちらの式を使いますか?
日給月給は、日給を基本にして月1回まとめて払う形です。日額で決めている部分は日給の式、月額で決めている手当は月給の式で、それぞれ時間額にして合計します。 厚生労働省の確認方法でも、日給と月給などが組み合わさっている場合は、それぞれ時間額に換算して合計した額と最低賃金を比べるとされています。
仮の計算例(上の年間休日105日の会社、1日の所定労働時間8時間)
| 項目 | 金額 | 最低賃金の計算 |
|---|---|---|
| 日給 | 9,600円/日 | 9,600円÷8時間=1,200円 |
| 資格手当 | 8,000円/月 | 8,000円÷173.3時間=約46円 |
| 皆勤手当 | 10,000円/月 | 入れない(精皆勤手当) |
| 通勤手当 | 6,000円/月 | 入れない |
| 合計 | — | 約1,246円を最低賃金と比べる |
この例の約1,246円は、大阪(1,231円)なら上回りますが、東京(1,280円)や神奈川(1,279円)の最低賃金が適用される場合は下回ります。月給制の職人や事務員も考え方は同じで、例えば基本給と職長手当の合計を1か月平均所定労働時間で割ります。
1か月平均所定労働時間を一度計算して賃金台帳の横に書いておけば、翌年からは「年間カレンダーが変わった年だけ計算し直す」で済みます。毎年の最低賃金改定のたびに一から考える手間がなくなります。
手当や残業代は、最低賃金の計算に入れていいですか?
入れない賃金が決まっています。 最低賃金法第4条第3項と最低賃金法施行規則第1条、厚生労働省の確認方法をまとめると、次の賃金は最低賃金と比べる額から除きます。
| 最低賃金の計算に入れない賃金 | 現場での例 | 根拠 |
|---|---|---|
| 臨時に支払われる賃金 | 結婚祝い金など | 施行規則第1条第1項 |
| 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金 | 夏・冬の賞与、年末の寸志など | 施行規則第1条第1項 |
| 所定労働時間を超える労働への賃金 | 残業代(固定残業代を含む) | 施行規則第1条第2項 |
| 所定労働日以外の日の労働への賃金 | 休みの土曜に出た日の賃金 | 施行規則第1条第2項 |
| 深夜(原則22時〜5時)の割増部分 | 夜間工事の深夜割増のうち、通常の賃金を超える部分 | 施行規則第1条第2項 |
| 精皆勤手当・通勤手当・家族手当 | 皆勤手当、ガソリン代の手当、子ども手当など | 厚生労働省の確認方法 |
一方、現場手当・資格手当・職長手当のように、通常の仕事に対して払う手当は、この除外に当たらなければ最低賃金の計算に含めます。
ここで混同しやすいのが、残業代の計算に入れる手当と、最低賃金の計算に入れる手当は、同じではないという点です。例えば毎月の皆勤手当は、残業代の計算の基礎には原則として含めますが、最低賃金の計算では除きます(残業代側の整理は現場手当・資格手当・皆勤手当も残業代に入る?)。給与ソフトで「手当の扱い」を1つの設定で済ませていると、どちらかがずれます。
「残業代込みの日当」は、どこで確かめますか?
日当に残業代を含めている会社は、残業代にあたる部分を除いた額で最低賃金を確かめます。残業代(所定労働時間を超える労働への賃金)は、施行規則第1条第2項で最低賃金の計算に入れないとされているためです。
例えば「日当15,000円(うち固定残業代2,500円)・所定8時間」なら、比べるのは15,000円÷8時間ではなく、12,500円÷8時間=約1,563円 です。
注意したいのは、内訳を決めていない「込み」の日当です。どこまでが残業代か分からない状態では、固定残業代そのものが認められないおそれがあります。そうなると、先ほどの③のように最低賃金を下回る心配と、残業代を払っていなかったことになる心配を、同時に抱えます。固定残業代を有効に設計する方法は、「日当に残業代込み」は通る?建設業の固定残業代の決め方で詳しく扱っています。
今の日当を後から「実はこの内訳だった」と分け直すと、通常の賃金が下がり、労働条件の不利益変更になり得ます。見直すなら、手順を踏んで進めます(手当・日当を下げる就業規則の不利益変更)。
入れる賃金と入れない賃金を表にしておけば、手当を新しく作るときにも「これは最低賃金の足しにはならない」と先に分かります。皆勤手当を増やしたのに最低賃金割れが解消していなかった、という空回りを防げます。
2026年度の最低賃金は、都道府県ごとにいつから、いくらですか?
令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金は、全国加重平均(働く人の数で重みを付けた全国平均)で1,177円(前年度1,121円)です。東京1,280円・大阪1,231円など15都道府県が2026年10月1日から、残りの32府県も10月2日から12月2日にかけて順次発効します(予定を含む・※2026年9月時点)。
厚生労働省は2026年9月3日、47都道府県すべての改定額が各地の地方最低賃金審議会から答申されたと発表しました。引上げ額は54円〜65円で、最も高いのは東京の1,280円、最も低いのは宮崎の1,085円です。
令和8年度 地域別最低賃金(時間額)と発効日(改定額・発効日は厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」、状況の列は各都道府県労働局の発表で確認・※2026年9月27日時点)
| 都道府県 | 改定後の最低賃金 | 改定前 | 発効日 | 所定8時間の日給の下限 | 9月27日時点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 1,131円 | 1,075円 | 10月1日 | 9,048円 | 決定 |
| 青森 | 1,090円 | 1,029円 | 10月29日 | 8,720円 | 答申 |
| 岩手 | 1,090円 | 1,031円 | 12月1日 | 8,720円 | 答申 |
| 宮城 | 1,098円 | 1,038円 | 10月1日 | 8,784円 | 決定 |
| 秋田 | 1,090円 | 1,031円 | 10月14日 | 8,720円 | 決定 |
| 山形 | 1,092円 | 1,032円 | 10月30日 | 8,736円 | 答申 |
| 福島 | 1,094円 | 1,033円 | 10月16日 | 8,752円 | 決定 |
| 茨城 | 1,136円 | 1,074円 | 10月18日 | 9,088円 | 決定 |
| 栃木 | 1,125円 | 1,068円 | 10月1日 | 9,000円 | 決定 |
| 群馬 | 1,120円 | 1,063円 | 10月3日 | 8,960円 | 決定 |
| 埼玉 | 1,196円 | 1,141円 | 10月1日 | 9,568円 | 決定 |
| 千葉 | 1,195円 | 1,140円 | 10月1日 | 9,560円 | 決定 |
| 東京 | 1,280円 | 1,226円 | 10月1日 | 10,240円 | 決定 |
| 神奈川 | 1,279円 | 1,225円 | 10月1日 | 10,232円 | 決定 |
| 新潟 | 1,108円 | 1,050円 | 10月1日 | 8,864円 | 決定 |
| 富山 | 1,119円 | 1,062円 | 10月1日 | 8,952円 | 決定 |
| 石川 | 1,113円 | 1,054円 | 10月3日 | 8,904円 | 決定 |
| 福井 | 1,112円 | 1,053円 | 10月4日 | 8,896円 | 決定 |
| 山梨 | 1,113円 | 1,052円 | 11月1日 | 8,904円 | 答申 |
| 長野 | 1,117円 | 1,061円 | 10月2日 | 8,936円 | 決定 |
| 岐阜 | 1,121円 | 1,065円 | 10月1日 | 8,968円 | 決定 |
| 静岡 | 1,154円 | 1,097円 | 10月15日 | 9,232円 | 決定 |
| 愛知 | 1,195円 | 1,140円 | 10月1日 | 9,560円 | 決定 |
| 三重 | 1,143円 | 1,087円 | 10月1日 | 9,144円 | 決定 |
| 滋賀 | 1,136円 | 1,080円 | 10月3日 | 9,088円 | 決定 |
| 京都 | 1,180円 | 1,122円 | 11月16日 | 9,440円 | 決定 |
| 大阪 | 1,231円 | 1,177円 | 10月1日 | 9,848円 | 決定 |
| 兵庫 | 1,172円 | 1,116円 | 10月1日 | 9,376円 | 決定 |
| 奈良 | 1,107円 | 1,051円 | 10月4日 | 8,856円 | 決定 |
| 和歌山 | 1,101円 | 1,045円 | 10月3日 | 8,808円 | 決定 |
| 鳥取 | 1,090円 | 1,030円 | 10月3日 | 8,720円 | 決定 |
| 島根 | 1,092円 | 1,033円 | 10月10日 | 8,736円 | 決定 |
| 岡山 | 1,104円 | 1,047円 | 10月2日 | 8,832円 | 決定 |
| 広島 | 1,141円 | 1,085円 | 10月11日 | 9,128円 | 決定 |
| 山口 | 1,101円 | 1,043円 | 10月8日 | 8,808円 | 決定 |
| 徳島 | 1,103円 | 1,046円 | 11月1日 | 8,824円 | 決定 |
| 香川 | 1,092円 | 1,036円 | 10月1日 | 8,736円 | 決定 |
| 愛媛 | 1,093円 | 1,033円 | 11月1日 | 8,744円 | 決定 |
| 高知 | 1,086円 | 1,023円 | 10月29日 | 8,688円 | 答申 |
| 福岡 | 1,114円 | 1,057円 | 10月4日 | 8,912円 | 決定 |
| 佐賀 | 1,095円 | 1,030円 | 11月15日 | 8,760円 | 答申 |
| 長崎 | 1,087円 | 1,031円 | 11月2日 | 8,696円 | 答申 |
| 熊本 | 1,092円 | 1,034円 | 12月1日 | 8,736円 | 答申 |
| 大分 | 1,096円 | 1,035円 | 11月1日 | 8,768円 | 答申 |
| 宮崎 | 1,085円 | 1,023円 | 10月24日 | 8,680円 | 決定 |
| 鹿児島 | 1,090円 | 1,026円 | 10月25日 | 8,720円 | 決定 |
| 沖縄 | 1,086円 | 1,023円 | 12月2日 | 8,688円 | 答申 |
- 決定=都道府県労働局が改正の決定を発表済み(多くは官報への公示まで済み)。答申=最低賃金審議会の答申までを確認できた県です(9月27日時点で10県)。
- 「答申」の県の発効日は予定です。厚生労働省の答申状況にも、発効日は異議の申出の状況などで変わる可能性があると注記されています。
- 「所定8時間の日給の下限」は改定後の額×8時間で、これを下回ると最低賃金割れです。
「答申」と「決定」は、何が違いますか?
答申は審議会の意見で、金額が法的に決まるのは労働局長の決定と公示です。 流れは、審議会の答申→答申の公示と異議の申出の受付→労働局長による改正の決定と官報への公示→効力の発生、の順です。新しい額は、公示の日から30日を経過した日(決定でそれより後の日を定めたときは、その日)から効力が生じます(最低賃金法第14条第2項)。
ニュースで引き上げを知ったら、次の順で確かめてください。
- 上の表で、自社の都道府県の新しい金額と発効日を確認する
- 「答申」の県は、発効日の前に、自社の都道府県労働局のページで決定・公示が出たかを確かめる(厚生労働省 最低賃金特設サイトの地域別最低賃金全国一覧にも新しい額と発効日が載っています)
- 発効日を含む賃金計算期間は、発効日以後の労働分から新しい額で比べる
特定最低賃金(産業別)も確認が要りますか?
業種によっては要ります。 最低賃金には、都道府県ごとの地域別最低賃金のほかに、特定の産業を対象にした特定(産業別)最低賃金があります。厚生労働省の最低賃金特設サイトの一覧では、例えば鉄鋼業、電子部品・電気機械器具製造業、自動車・同附属品製造業、百貨店・総合スーパーマーケットなどが並んでいます。地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が同時にかかる場合は、高いほうの額が適用されます。
建設工事を主にしている会社でも、金属加工や製品の製造部門を持っている、グループ内に別業種の会社があるといった場合は、特定最低賃金の全国一覧で自社の都道府県・業種が載っていないかを一度確認しておきます。載っているかどうか判断に迷うときは、労働局や労働基準監督署に業種を伝えて確認するのが確実です。
毎年秋に「どこを見ればいいか」が決まっていれば、社長がニュースの全国平均の数字に振り回されることはありません。自社の都道府県の1行だけを確認して、賃金台帳と見比べれば終わります。
見習いなら安くできますか?最低賃金を割っていたらどうなりますか?
会社の判断だけでは安くできません。許可なく地域別最低賃金を割っていれば、差額の支払いに加えて、50万円以下の罰金の対象になります。
見習いを最低賃金より低くするには、労働局長の許可が要ります
「まだ刷毛もろくに持てへん見習いに、一人前の職人と同じ時給の計算は厳しい」。その気持ちは分かりますが、見習いでも、原則として最低賃金以上を払う必要があります。
最低賃金法第7条の減額の特例は、試用期間中の人、一定の職業訓練を受ける人、軽易な業務や断続的労働に従事する人などについて、会社が都道府県労働局長の許可を受けたときに限って、減額した最低賃金を適用する制度です。許可を受けるまでは、見習いでも通常の最低賃金がそのまま適用されます。会社が「見習いやから」と自分で決めて使える割引ではありません。
許可を受けるには、許可申請書を労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に出します(最低賃金法施行規則第4条)。「軽易な業務」についても、同じ最低賃金が適用される他の労働者の業務と比べて特に軽易な場合に限って許可できるとされています(同規則第3条第2項)。許可を受けずに最低賃金を下回って払った分は、次の表のとおり差額の支払いと罰則の対象になります。
許可の審査のされ方や、試用期間と許可期間の関係は、建設業の試用期間|見習い職人の本採用拒否・社会保険・最低賃金で詳しく整理しています。まずは最低賃金以上で見習いの日当を組み、技能に応じてどう上げていくかを採用時に伝える形のほうが、職人も先の見通しを持てます。賃上げの原資をどう作るかは、日当を上げたいが利益が消える:建設業の賃上げ原資の作り方も参考になります。
割っていた場合に起きること
| 起きること | 内容 |
|---|---|
| 差額の支払い | 最低賃金に達しない部分の定めは無効になり、最低賃金と同じ定めをしたものとみなされるため、差額を払う必要があります(第4条第2項) |
| 罰則 | 地域別最低賃金を下回る賃金しか払っていない場合は、50万円以下の罰金の対象になります(第40条)(※2026年9月時点) |
| さかのぼった請求 | 退職した職人などから、時効の範囲内で差額を請求され得ます(辞めた職人から3年分の残業代を請求されたら) |
また、最低賃金の適用を受ける会社は、最低賃金の概要を作業場の見やすい場所に掲示するなどの方法で、従業員に知らせる措置をとる必要があります(第8条)。事務所の壁や、資材置き場の休憩所の掲示板に、自社の都道府県の新しい最低賃金の額と発効日を貼っておくのが手軽な方法です。
割っていたと気づいたときは、慌てて日当だけを上げる前に、「誰が・いつから・1時間あたりいくら足りなかったか」を洗い出します。対象と金額が分かれば、社長も資金繰りの見通しを立てたうえで、職人に落ち着いて説明できます。すでに退職者と揉めていて交渉や訴訟が必要な場合は、弁護士に相談してください。
最低賃金を割っていないか、何から確認すればいいですか?
発効日の前までに、日給が一番安い職人1人分から、次のチェック表で確かめます。 日給の職人1人分の雇用契約書、賃金台帳(給与明細)、出面帳や勤怠の記録、年間カレンダーを机に並べ、上から埋めていきます。
| # | 確認すること | 確認に使う資料 |
|---|---|---|
| 1 | 1日の所定労働時間が、就業規則や雇用契約書に書いてあるか | 就業規則・雇用契約書 |
| 2 | 集合・積込み・片付けを含めた実際の労働時間と、所定労働時間のずれを把握しているか | 出面帳・勤怠記録 |
| 3 | 日給が「何時間分の賃金か」を決めているか(残業代込みなら内訳があるか) | 雇用契約書・賃金規程 |
| 4 | 日給から、残業・休日・深夜の割増分を除いた額で計算しているか | 賃金台帳 |
| 5 | 精皆勤手当・通勤手当・家族手当・賞与を、最低賃金の計算から外しているか | 給与明細・給与ソフトの設定 |
| 6 | 月額の手当は、1か月平均所定労働時間で割って足しているか | 年間カレンダー・賃金台帳 |
| 7 | 自社の都道府県の新しい最低賃金額と発効日を確認し、「答申」の段階なら決定・公示まで確かめたか | この記事の表・労働局のページ |
| 8 | 特定(産業別)最低賃金の一覧に、自社の業種が載っていないか確認したか | 最低賃金特設サイトの一覧 |
| 9 | 見習いを最低賃金より低くしている場合、労働局長の減額特例の許可を受けているか | 許可書 |
| 10 | 最低賃金の額を、事務所や休憩所などに掲示しているか | 掲示物 |
1人分で表が埋まったら、同じ日当・同じ勤務の職人は一度に確認できます。一番安い日当の職人から順に計算していくと、割れている人がいるかどうかを早く見つけられます。
就業規則にも、改定のたびに確認する手順を書いておくと、担当者が替わっても毎年同じように回せます。
規定例(条文イメージ):会社は、適用される最低賃金が改定されたときは、その発効日までに、各従業員の賃金を最低賃金の計算方法に従って時間額に換算して確認し、発効日以後の労働に対する賃金が最低賃金額を下回る場合は、これを改定する。
これは自社に合わせて調整が必要な作例です。確認する担当者や、職人への通知の方法も一緒に決めておきます。
日給を上げたときは、社会保険の月額変更届が要るかどうかも確かめます(日給を上げたら社会保険の届出は要る?)。ここで決めたルールを毎月の給与計算に載せる段取りは、建設業の給与計算を外注・代行する前に確かめることにまとめています。
中峯社労士事務所の建設業の就業規則作成では、日給の内訳、所定労働時間、手当の扱いを、現場の働き方に合わせて賃金規程に落とし込みます。当事務所では、就業規則の作成・改定を顧問の基本料金内で行っています。「うちの日当は時間で割るといくらになるのか」「残業代込みの日当をどう分ければいいか」が気になる方は、Zoom30分の無料相談で、雇用契約書と賃金台帳を見ながら自社の場合を一緒に整理できます。毎年の改定ニュースを見ても、表を1枚埋めれば答えが出る状態にしておきましょう。最新の制度や金額は、必ず公式サイトでご確認ください。
参考(一次情報)
- 令和8年度 地域別最低賃金 答申状況(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001745621.pdf
- 地域別最低賃金全国一覧(厚生労働省 最低賃金特設サイト): https://saiteichingin.mhlw.go.jp/table/page_list_nationallist.html
- 最低賃金法・第4条、第7条、第8条、第14条、第40条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137
- 最低賃金法施行規則・第1条〜第4条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/334M50002000016
- 最低賃金額以上かどうかを確認する方法(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/chingin/newpage_43899.html
- 労働基準法・第32条、第32条の4、第115条、附則第143条(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
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