日給月給の建設業、就業規則に絶対入れるべき賃金規定
日給月給の建設業では、欠勤控除の単価と残業の割増を計算する単価がずれると賃金トラブルにつながります。就業規則には、日給を時間単価にどう換算するか、欠勤控除と割増賃金の計算基礎をそろえて明記することが重要です。計算のルールを固めておくと、給料日ごとの説明の手間が減り、未払い残業代を請求されるリスクも下がります。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます給料日の前日。事務所で総務のお母さんが、今月休んだ日と残業した日を電卓で計算しています。「欠勤は日給まるまる引いて、残業は…これ何で割ったらええんやったかな」。日給月給は建設業でいちばんよく使われる賃金の形ですが、計算のルールが頭の中にしか無いと、担当者が変わった途端に金額がぶれます。しかも、欠勤控除と残業代の単価がちぐはぐだと、「多く引かれた」「残業代が足りない」という不満が必ず出てきます。この記事では、日給月給の会社が就業規則に絶対入れておくべき賃金規定を、計算の考え方とセットでお伝えします。

そもそも「日給月給」とは、どういう賃金の形ですか?
日給月給とは、1日いくら(日給)を基本にしながら、その月の出勤日数分をまとめて月1回支給する形です。完全な月給制と違うのは、欠勤した日はその日の日給分を差し引く点です。建設業では、この日給月給が最も一般的です。
- 制度としては:日給月給は「日ごとの単価」を土台にした賃金形態で、欠勤控除と割増賃金の両方が、この単価をもとに計算されます。
- この会社はどう有利になるか:単価の考え方を規則で固めておくと、誰が計算しても同じ金額になる会社になります。担当者の記憶頼みから抜け出せます。
- 社長の毎日はどう変わるか:給料日ごとに「この計算で合ってるかな」と不安になる時間が無くなります。職人に金額を聞かれても、根拠を示して即答できます。
問題は、この「単価」がひな形の就業規則ではあいまいなまま放置されがちなことです。ここを固めるのが、賃金規定の核心です。
日給月給でも「残業代」は必要ですか?
はい、必要です。ここは誤解が多いところですが、日給制・日給月給だから残業代(割増賃金)を払わなくていい、ということはありません。日給を1時間あたりの単価に換算したうえで、時間外・休日・深夜の割増を計算します。
- 時間外労働には割増を上乗せして計算する
- 休日や深夜の労働にも、それぞれの割増がある(夜間工事の数え方は夜間工事の割増賃金)
- 「日給に残業代が含まれている」とするなら、その範囲を明確にしておく必要がある
現場でよくあるのは、「うちは日給やから残業は出してない」という思い込みです。これは退職した職人から未払い残業代を請求される、典型的な火種になります。日給であっても、働いた時間に応じた割増は発生します。残業時間そのものが上限内かどうかは、時間外労働上限規制の実態チェックリストもあわせて確認しておくと安心です。
日給を「時間単価」に換算するには、どう決めておきますか?
割増賃金も欠勤控除も、出発点は「日給を1時間あたりいくらに直すか」です。基本的な考え方は、日給を1日の所定労働時間で割って、1時間あたりの単価を出すことです。
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「1日8時間」など、1日の所定労働時間を就業規則で決めておく
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日給 ÷ 所定労働時間 = 1時間あたりの単価、という筋道を明記する
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この単価を、割増の計算にも使う
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この会社はどう有利になるか:何時間で割るかが規則で決まっていると、割増の計算に一貫性が生まれます。「人によって計算が違う」がなくなります。
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社長の毎日はどう変わるか:残業代の計算根拠を聞かれても、規則を見せながら説明できます。あとから「計算が間違っていた」とまとめて請求される不安が消えます。
具体的に何時間で割るか、どこまでを割増の基礎に含めるかは、会社の所定労働時間や手当の構成によって変わります。ここは金額に直結するため、自己流で決めず、実態に合わせて設計するのが安全です。現場手当や資格手当を割増の基礎に入れるかは現場手当・資格手当も残業代に入る?で、日給を時間単価に直して最低賃金を割っていないか確かめる方法は日給の職人は最低賃金を割っていない?で解説しています。
欠勤控除と割増の「計算基礎」は、なぜそろえる必要がありますか?
賃金トラブルで多いのが、「欠勤を引くときの単価」と「残業を足すときの単価」がばらばらになっているケースです。たとえば欠勤控除は日給まるごと引くのに、残業の単価は基本給だけで計算する、といったちぐはぐが起きます。
- 控除に使う単価と、割増に使う単価の基礎をそろえる
- どの手当を計算基礎に含め、どれを除くかを明記する
- 締め日・支払日と合わせて、計算のルールを一本化する
現場で起きるのは、「休んだ日はガッツリ引かれるのに、残業代は少ししか付かない」という職人の不満です。これは計算基礎がそろっていないことが原因のことが多く、放置すると信頼問題に発展します。
- この会社はどう有利になるか:控除と割増の基礎がそろっている会社は、職人から見て「フェアな計算をする会社」に映ります。定着にもつながります。
- 社長の毎日はどう変わるか:「引きすぎ」「足りない」の押し問答から解放されます。給料への信頼が、そのまま現場の雰囲気に返ってきます。
日給月給の賃金規定、何から整えればいいですか?
まずは自社の給料計算を1枚の紙に書き出し、「日給をどう時間単価にしているか」「欠勤控除と残業の単価がそろっているか」を確認してみてください。ここがあいまいなら、賃金規定の作り直しどきです。
日給月給に合った賃金規定の整え方は、建設業の就業規則作成のページでも考え方を紹介しています。当事務所では、賃金規定を含む就業規則の作成・改定を顧問の基本料金内でサポートしており、他社のように作成だけで20〜30万円を別途いただくことはありません。雨天休業の日の給料の扱いと一緒に整理したい方は、雨で現場が休みになったら給料はどうなるも参考になります。「うちの給料計算、これで合っているか不安」という方は、Zoom30分の無料相談で、自社の計算方法を一緒に点検できます。割増賃金の計算基準は改正されることがあるため、最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください。
参考(一次情報)
- 労働基準法(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- モデル就業規則について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
よくあるご質問
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