雨で現場が休みになったら給料は?建設業の休業手当ルール
雨で現場が休みになった日の給料は、休業の原因が「会社の都合」か「不可抗力」かで変わります。会社都合の休業なら平均賃金の60%以上の休業手当(労働基準法26条)が必要になり得ます。台風など会社に責任のない天候は不可抗力に当たり得ますが、判断がぶれやすいため、線引きと振替の運用を就業規則であらかじめ決めておくことが会社を守ります。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます朝6時、雨。現場グループLINEに「今日どうします?」が並ぶ。空を見上げてしばらく迷ったあと、社長が「今日は中止」と打ち込む。送信した瞬間、頭をよぎるのは職人たちの今日の日当のことです。「払わなあかんのか、それとも休みやから無給でええのか」——雨の多い季節は、この判断が毎週のようにやってきます。答えは「休業の原因が会社都合か、不可抗力か」で変わります。会社都合なら平均賃金の60%以上の休業手当(労働基準法26条)が必要になり得ます。この記事では、その線引きと、振替の使い方、就業規則での決め方までをお伝えします。

そもそも「休業手当」とは何で、いくら払うのですか?
休業手当とは、会社の都合で労働者を休ませたときに払う手当のことです。労働基準法26条で、会社(使用者)の責任による休業の場合、平均賃金の60%以上を支払うと定められています。
- 制度としては:会社都合の休業では、平均賃金の60%以上の休業手当が必要になり得ます。
- この会社はどう有利になるか:この仕組みを理解して運用できると、雨の日の給料の扱いが「その場の気分」ではなく「決まったルール」になります。判断のたびに悩まなくて済む会社になります。
- 社長の毎日はどう変わるか:中止を決めた瞬間の「給料どうしよう」という重さが軽くなります。職人に対しても「うちはこういうルールでやっている」と胸を張って説明できます。
ここで肝心なのが、すべての天候休業に手当が要るわけではない、という点です。原因が「会社都合」か「不可抗力」かで分かれます。
「会社都合」と「不可抗力」は、どこで線を引きますか?
同じ雨でも、扱いが変わります。判断の軸は「その休業が、会社に責任のあることか」です。
- 会社都合になりやすい例:作業自体は可能だが、会社の判断で念のため止めた/段取り不足で仕事が無くなった
- 不可抗力に当たり得る例:台風・暴風・大雪など、安全上どうしても作業できない天候で、会社の努力では避けられない
現場でよくあるのは、「小雨だけど、足場が滑ると危ないから今日はやめておこう」という判断です。これが安全確保のためのやむを得ない中止なのか、会社の都合で止めた休業なのかは、状況によって評価が分かれます。だからこそ、「どの程度の天候で中止とするか」の目安を先に決めておくと、毎回の判断がぶれません。
- この会社はどう有利になるか:線引きの基準を持っている会社は、あとから「あの日は払うべきだった」と指摘されるリスクを下げられます。
- 社長の毎日はどう変わるか:空模様とにらめっこしながら、給料の心配まで抱え込む必要がなくなります。
別の現場や作業に「振り替える」とどうなりますか?
雨で1つの現場が止まっても、屋内の作業や別の現場、道具の手入れや資材の整理など、その日にできる仕事があることもあります。同じ日に別の作業へ振り替えて働いてもらえば、その日は通常どおり就労した扱いになり、休業手当の問題そのものが生じません。
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雨天時に回せる屋内作業・別現場をあらかじめリスト化しておく
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振替を命じる場合の連絡ルールを決めておく
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振り替えられない日は、休業手当が必要かを判断する(会社が休業を決めた日を、あとから会社の判断で有給に置き換えることはできません。詳しくは日給の職人にも有給は必要?建設業の有給休暇と雨の日の扱い)
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社長の毎日はどう変わるか:「雨=丸損」という感覚から抜け出せます。手当を払うか、振り替えて働いてもらうか、選択肢を持って朝を迎えられます。
こうした振替や手当の扱いは、日給月給の賃金計算とセットで整理すると分かりやすくなります。日給をどう時間単価に換算するかは日給月給の建設業が就業規則に入れるべき賃金規定で解説しています。
天候休業のルールは、就業規則にどう書いておけばいいですか?
雨の日の判断を毎回ゼロから悩まないために、就業規則に「天候休業のルール」を定めておくのが有効です。書いておきたいのは次の3点です。
- 会社都合の休業と、不可抗力による休業の線引きの考え方
- 別の作業・現場へ振り替える場合の運用
- 休業手当を払う場合の計算方法(平均賃金の考え方)
ひな形の就業規則には、この天候休業の規定が入っていないことがほとんどです。建設業のひな形が現場に合わない他の落とし穴は、就業規則ひな形の5つの落とし穴でまとめています。
雨の日の給料で迷わないために、何から始めればいいですか?
まずは「直近の雨で中止した日、給料をどう処理したか」を振り返ってみてください。会社都合なのに無給にしていたなら、そこが直しどころです。逆に、すべての雨に手当を払っていて負担が重いなら、振替や線引きで整理できる余地があります。
自社の現場に合った天候休業のルールづくりは、建設業の就業規則作成のページでも考え方を紹介しています。当事務所では、天候休業の規定を含む就業規則の整備を顧問の基本料金内でサポートしています。「雨の日の給料、うちのやり方で合っているのか」を確かめたい方は、Zoom30分の無料相談で、自社の実態に沿って一緒に点検できます。休業手当の考え方や金額の基準は変わることがあるため、最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください。
参考(一次情報)
- 労働基準法(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- モデル就業規則について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
よくあるご質問
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