建設業専門の社会保険労務士|松原市・堺市・東大阪ほか南大阪 平日 10:00〜17:00/TEL 072-334-4102

安全衛生管理と就業規則、労災事故で問われる安全配慮義務

テーマ: 建設業の就業規則作成
30秒で結論

労災事故が起きると、会社は労働者の安全に配慮する義務(安全配慮義務)を果たしていたかを問われます。就業規則に安全衛生のルールを定め、現場の運用と一致させておくことで、会社が安全対策を尽くしていた事実を残せます。規則と運用のズレは、いざという時に会社を守れない弱点になります。

→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます

昼過ぎ、現場の職長から電話が入る。「社長、落ちました。今、救急車を呼んでいます」。頭の中が真っ白になりながら病院へ向かい、家族に連絡し、夜、誰もいない事務所に一人で戻る。ケガの回復を祈る気持ちの裏で、もう一つの現実が押し寄せます——会社は、この事故について何を問われるのか。労災事故が起きたとき、会社が真っ先に向き合うのが「安全配慮義務」です。この記事では、事故の前に、安全衛生と就業規則をどう整えておけば会社と職人を守れるのかを、現場の目線でお伝えします。

足場を指差し確認で点検する監督者のイメージ図

事故が起きた日、会社は何を問われるのですか?

事故直後、会社は治療や労災の手続きに追われます。それが一段落した頃、静かに問われ始めるのが「会社は、この事故を防ぐために必要なことをしていたか」という点です。

  • 危険な作業に、手順やルールは決められていたか
  • 保護具は用意され、着用は徹底されていたか
  • 危険について、職人に教育や注意喚起をしていたか

このとき「やっていたつもり」では足りません。実際にルールがあり、周知され、記録が残っているか。ここで、就業規則をはじめとする文書が効いてきます。口約束の安全対策は、事故の後には証明のしようがないのです。

「安全配慮義務」とは、具体的に何をすることですか?

安全配慮義務とは、会社が職人の生命や身体の安全に配慮し、危険を防ぐために必要な措置をとる義務のことです。難しく聞こえますが、現場でやるべきことは具体的です。

  • 今どうなっているか:安全は「気をつけろ」の声かけ任せで、ルールが文書になっていない。
  • 整えるとどう変わるか:危険作業の手順、保護具の使用、健康管理などがルールとして定まり、誰が現場に入っても同じ基準で動ける。
  • 社長の毎日がどう変わるか:「今日、誰かが大ケガをしたら会社はどうなる」という漠然とした重さが減り、堂々と「うちは安全にここまでやっている」と言えるようになります。

就業規則と安全衛生は、どうつながっているのですか?

就業規則は労働条件だけの文書ではありません。安全衛生に関する事項も、規則や関連する定めに書くべき中身です。ここに現場の安全ルールを落とし込むことで、「会社が何を求めていたか」が形として残ります。

  • 服装・保護具・立入禁止など、現場で守るべき基本ルール
  • 危険行為や安全違反への対応(懲戒規定と連動させる)
  • 健康診断や体調不良時の対応(暑い時期の報告体制と対応手順は熱中症対策の義務化

たとえば酒気帯びでの就労や保護具の未着用を、安全ルールとしても懲戒事由としても定めておく。すると「注意していた」という事実が二重に残り、いざという場面で会社を守る力になります。社用車で現場へ向かう会社は、運転の前後の酒気帯び確認も法令で求められる場合があります(建設業のアルコールチェック義務)。

現場のルールを、規則と運用にどう落とせばいいですか?

規則に立派な安全条項を書いても、現場のやり方と食い違っていたら意味がありません。むしろ「書いてあるのに守らせていなかった」と見られ、逆効果になることさえあります。大事なのは、規則と運用を一致させることです。

  • 朝礼やKY活動など、現場で実際にやっていることを規則の言葉とそろえる
  • 保護具の支給や点検の記録を残す
  • 新しく入った職人への安全教育を、手順として決めておく

書く・周知する・運用する・記録する。この四つが一本の線でつながって、初めて「安全対策を尽くしていた」と胸を張れます。ルールと現場がズレる怖さはひな形のままだと危ない5つの落とし穴にも通じる話です。

事故の心配を減らす仕組みは、どう作ればいいですか?

安全衛生の整備は、事故を一〇〇%なくす魔法ではありません。それでも、ルールを決めて、職人に伝えて、記録に残す仕組みがあるだけで、防げる事故は確実に増え、万一のときも会社は「やるべきことをやっていた」立場に立てます。時間外の管理とも関わるため、36協定の書き方とあわせて整えると効果的です。

社長が一人で抱える不安を、仕組みに変えていく。当事務所では建設業の就業規則作成を顧問の基本料金内で行っており、安全衛生に関する定めも一体で整えられます。Zoom30分の無料相談で、自社の現場に合った形を一緒に考えましょう。最新の制度や基準は、必ず公式サイトでご確認ください。

参考(一次情報)

よくあるご質問

会社が労働者の生命や身体の安全に配慮し、危険を防ぐために必要な措置をとる義務です。保護具の整備、危険作業の手順化、健康管理、教育などが含まれ、就業規則と現場の運用の両方で整えることが求められます。
安全のルールを就業規則や安全衛生に関する定めに明記しておくと、会社が何を求め、何を守らせていたかが文書で残ります。事故の際に「安全対策を尽くしていた」ことを示す土台になります。
必要です。規模にかかわらず安全配慮義務は生じます。従業員数によって選任すべき担当者などは変わりますが、現場の危険に応じたルール作りはどの会社にも求められます(※2026年7月時点)。
なりません。規則はあくまで土台で、実際に周知し、運用し、記録することまでが一体です。書いてあるルールと現場のやり方が食い違っていると、かえって不利に働くことがあります。
就業規則と一体で整えるため、社労士への相談が適しています。当事務所では顧問の基本料金内で作成・改定を行っており、無料相談で現状の点検からお手伝いできます(※2026年7月時点)。
社会保険労務士 中峯崇文

この記事の執筆・監修:中峯 崇文(社会保険労務士)

中峯社労士事務所 代表|社会保険労務士 登録番号 第27110112号採用定着士

建設業に特化した社会保険労務士として、残業対応や一人親方の移行など、現場の労務を毎月扱っています。外国人雇用では自ら監理団体を立ち上げて運営し、採用定着士として採用と定着の設計まで踏み込みます。

「うちの就業規則は、今のままで大丈夫?」

作成・改定は顧問の基本料金内(他社相場:作成単体で20〜30万円)。Zoom30分・無料で、御社の現状から「直すべき順番」を整理します。

ご相談で最も多いのは、社長が現場に出ている従業員5〜10人の建設会社さまです。

▼ まずは現状をお聞かせください(相談は無料です)

\ 予約ツールの入力は不要。「まず話だけ」「5分だけ電話」でOKです /

📞 電話で相談 無料相談する

建設業の就業規則・外国人雇用の労務、Zoom30分・無料でご相談ください。