建設業専門の社会保険労務士|松原市・堺市・東大阪ほか南大阪 平日 10:00〜17:00/TEL 072-334-4102

建設業の同一労働同一賃金、処遇改善で就業規則をどう変えるか

テーマ: 建設業の就業規則作成
30秒で結論

同一労働同一賃金は、正社員と有期・パートなど非正規の間の不合理な待遇差を禁じ、待遇差の理由を説明できるようにすることを求める考え方です。建設業では正社員・契約社員・応援職人が混在するため、手当ごとに「何に対して払うのか」を整理し、就業規則で説明できる形に定めることが会社を守ります。

→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます

現場からの帰り道、契約社員の職人が助手席でぽつりと言う。「社長、俺、あの正社員の子と同じ作業してますよね。なんで自分には現場手当が付かへんのですか」。悪気のない、素朴な問い。けれど、とっさに理由が出てこない。「昔からそういう決まりで……」と濁したその一言を、相手はちゃんと覚えています。同じ仕事なのに説明できない待遇差は、じわじわと会社のリスクになります。この記事では、同一労働同一賃金の考え方をふまえ、手当をどう整理し、就業規則をどう変えていくかをお伝えします。

同じ作業をする二人の職人と釣り合う天秤のイメージ図

「同じ仕事なのに手当が違う」と聞かれたら、答えられますか?

建設業の現場では、正社員・契約社員・応援職人が同じ場所で肩を並べて働きます。ところが給料の中身、とくに手当の付き方は、雇用形態でバラバラになりがちです。そして多くの場合、その差の理由は社長の頭の中にしかありません。

  • 通勤手当が正社員だけに付いている
  • 現場手当や皆勤手当の対象が、なんとなくで決まっている
  • 「昔からこうだった」以外に、差の説明ができない

問われて答えに詰まる。この状態そのものが、これから避けたいリスクです。

同一労働同一賃金とは、建設業にとって何ですか?

同一労働同一賃金とは、正社員と、有期・パートなど非正規の間で、不合理な待遇差を設けてはいけないという考え方です。中小企業にも適用されています。誤解されやすいのですが、これは「全員の待遇を一律に同じにする」制度ではありません。

  • 禁じられるのは「不合理な」差であって、合理的な差は認められ得る
  • 役割・責任の重さ、転勤や配置変更の有無などが、差の説明材料になる
  • 有期やパートから求められたら、待遇差の内容と理由を説明する義務がある

つまり問われているのは、「差をなくせ」ではなく「その差を、堂々と説明できるか」です。建設業のように雇用形態が入り混じる現場ほど、この説明力が試されます。

説明できない待遇差は、なぜ会社のリスクになるのですか?

理由を説明できない待遇差は、二つの意味で会社を弱くします。ひとつは法的なリスク、もうひとつは、もっと身近な現場の空気です。

  • 今どうなっているか:手当の付き方が雇用形態ごとに慣習で決まり、根拠が文書化されていない。
  • 整えるとどう変わるか:各手当の趣旨と、雇用形態による差の理由が就業規則・賃金規程で整理される。
  • 社長の毎日がどう変わるか:「なんで自分だけ」と聞かれても筋道立てて答えられ、現場に不公平感がくすぶらなくなります。

説明できる会社は、職人の納得も得られます。定着の土台づくりは職人が辞めない会社の就業規則にも通じる話です。

手当は、就業規則でどう整理すればいいですか?

見直しは、手当の「棚卸し」から始めます。今払っている手当を一つずつ並べ、「これは何に対して払っているのか」を言葉にしていく。趣旨がはっきりすると、雇用形態による差が合理的かどうかを判断できるようになります。

  • 通勤手当:通勤の実費補填なら、雇用形態で分ける理由は乏しい
  • 役職手当:責任や役割に対するものなら、その役割の有無で差がつく
  • 現場手当・皆勤手当:何に報いる手当かを定義し、対象を整理する(残業代の計算に入るかは現場手当・資格手当も残業代に入る?

そのうえで、日給月給など賃金の形とも整合させます(日給月給の残業代の考え方)。手当の趣旨が就業規則・賃金規程で言葉になっていれば、説明を求められてもその場で答えられます。

処遇の見直しを、どう進めればいいですか?

いきなり手当を大きく増減させる必要はありません。まず「説明できる形」に整えることが第一歩です。総額を大きく変えずとも、趣旨を整理し、根拠を規則に落とすだけで、会社の足場は見違えて安定します。技能と処遇をつなぐ流れはCCUSと就業規則ともつながっています。定年後に再雇用した職人の給料を決め直す場面の考え方と規定例は60代・70代の職人と定年にまとめています。

当事務所では建設業の就業規則作成や賃金規程の整備を顧問の基本料金内で行っており、手当の棚卸しから見直しまでご相談いただけます。Zoom30分の無料相談で、「うちの手当、説明できる形になっているか」を一緒に点検しましょう。制度の細部や最新の取り扱いは、必ず公式サイトでご確認ください。

参考(一次情報)

よくあるご質問

関係します。正社員と有期・パートなど非正規の間の不合理な待遇差を禁じる考え方で、中小企業にも適用されています。正社員・契約社員・応援職人が混在する建設業では、手当の差の説明が特に問われます(※2026年7月時点)。
いいえ。差を一律になくす制度ではなく、「不合理な差」を禁じるものです。役割や責任、転勤の有無などに応じた合理的な差は認められ得ます。大切なのは、その差を説明できるかどうかです。
有期やパートの労働者から求められたら、正社員との待遇差の内容と理由を説明する必要があります。就業規則や賃金規程で手当の趣旨が整理されていると、その場で筋の通った説明ができます。
通勤手当・役職手当・現場手当などを、それぞれ「何に対して払うのか」を明確にします。趣旨がはっきりすれば、雇用形態による差が合理的かどうかを判断でき、規則にも落とし込めます。
当事務所では就業規則や賃金規程の作成・改定を顧問の基本料金内で行っています。手当の棚卸しから見直しまで、無料相談で現状の点検からお手伝いできます(※2026年7月時点)。
社会保険労務士 中峯崇文

この記事の執筆・監修:中峯 崇文(社会保険労務士)

中峯社労士事務所 代表|社会保険労務士 登録番号 第27110112号採用定着士

建設業に特化した社会保険労務士として、残業対応や一人親方の移行など、現場の労務を毎月扱っています。外国人雇用では自ら監理団体を立ち上げて運営し、採用定着士として採用と定着の設計まで踏み込みます。

「うちの就業規則は、今のままで大丈夫?」

作成・改定は顧問の基本料金内(他社相場:作成単体で20〜30万円)。Zoom30分・無料で、御社の現状から「直すべき順番」を整理します。

ご相談で最も多いのは、社長が現場に出ている従業員5〜10人の建設会社さまです。

▼ まずは現状をお聞かせください(相談は無料です)

\ 予約ツールの入力は不要。「まず話だけ」「5分だけ電話」でOKです /

📞 電話で相談 無料相談する

建設業の就業規則・外国人雇用の労務、Zoom30分・無料でご相談ください。