建設キャリアアップシステム(CCUS)と就業規則、整えておくべきこと
建設キャリアアップシステム(CCUS)は技能者の資格・就業履歴を蓄積し、技能レベルを見える化する仕組みです。登録が広がるほど、蓄積された技能と給料が対応していないと不満やミスマッチが生じます。技能レベルと処遇のつながりを就業規則で明文化し、労働条件を見える化することが、定着と採用の土台になります。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます現場の休憩中、ベテランの技能者が若手にこぼす。「俺、CCUSでレベル上がったらしいんやけどな。給料、一円も変わらんわ」。笑い話のようでいて、この一言は静かに効いてきます。技能が業界共通の物差しで「見える化」される時代に、会社の中の処遇だけが見えないまま。元請からは「おたく、CCUSの登録は?」と聞かれる機会が増える——。建設キャリアアップシステム(CCUS)が広がるほど、実は就業規則の整備が問われます。この記事では、CCUSが進む中で、なぜ労働条件の明文化が必要になるのかをお伝えします。

なぜ今、CCUSの登録を求められる場面が増えているのですか?
CCUS(建設キャリアアップシステム)は、技能者の資格や現場の就業履歴を業界共通で蓄積し、技能レベルを見える化する仕組みです。事業者登録と技能者登録があり、公共工事や特定技能の受入など、さまざまな場面で登録の有無が問われるようになっています。
- 元請が下請の登録状況を確認する
- 技能者が自分の履歴を持ち運び、実力を客観的に示せる
- 外国人材の受入でも登録が前提になる(CCUSと外国人材)
技能が「その会社の中だけの評価」から「業界共通の記録」に変わる。この流れは、会社の処遇のあり方にも跳ね返ってきます。
CCUSが進むと、なぜ就業規則の整備が必要になるのですか?
技能レベルが客観的に見えるようになると、比べられるのは技能者の実力だけではありません。「その実力に、会社の処遇が見合っているか」も比べられるようになります。
- 今どうなっているか:昇給や手当が社長の感覚で決まり、技能の記録と結びついていない。
- 整えるとどう変わるか:技能レベルや資格に対して、役割や手当がどう対応するかが就業規則で明文化される。
- 社長の毎日がどう変わるか:昇給の時期が来ても「いくら上げるべきか」と毎回ゼロから悩まずに済み、「レベルが上がったのに何も変わらない」という不満の芽を先に摘めます。腕のいいベテランから「そろそろ辞めようか」と相談される場面も減り、技能者に「ここで続ける理由」を言葉で示せます。
見える化された技能と、見えないままの給料。このギャップこそ、これからの離職の火種になります。
技能のレベルと処遇を、規則でどうつなげればいいですか?
難しく考える必要はありません。CCUSの技能レベルや保有資格、経験年数といった段階ごとに、「任される役割」と「処遇の道筋」を就業規則に書いていく。それだけで、技能者は自分の三年後を描けるようになります。
- 経験・資格・技能レベルの段階を言葉にする
- その段階で任される仕事と、対応する手当や昇給の考え方を示す
- 正社員と有期・応援職人の待遇差は説明できる形にそろえる(同一労働同一賃金の考え方)
これは採用にも効きます。若手に「うちはキャリアがこう見える会社です」と示せることの強さは、若手採用に強い会社の就業規則の見せ方でも触れているとおりです。
労働条件の明文化は、どこから手をつければいいですか?
いきなり制度を作り込む必要はありません。まずは今の賃金と手当を並べ、「これは何に対して払っているのか」を棚卸しするところから始めます。技能や役割との対応がはっきりすると、規則に落とすべき形が見えてきます。
- 現在の手当を、役割・資格・技能レベルの言葉で整理する
- 昇給の時期や評価のタイミングを決める
- 就業履歴や資格の記録と、処遇の根拠を一致させる
標準労務費の考え方が全面施行されるなど(標準労務費とは)、適正な賃金への流れも強まっています。処遇の見える化は、こうした流れに乗るための足場にもなります。
CCUS時代の就業規則を、どう整えればいいですか?
CCUSは、技能を正しく評価してもらうための仕組みです。その恩恵を職人に返すには、会社の中の処遇も、同じように見える形に整えておく必要があります。見える技能と、見える処遇。この二つがそろって、初めて「この会社で腕を磨く意味」が伝わります。
当事務所では建設業の就業規則作成を顧問の基本料金内で行っており、CCUSの技能レベルと処遇をつなぐ設計もご相談いただけます。Zoom30分の無料相談で、今の賃金と技能の対応を一緒に棚卸ししてみませんか。登録要件や登録料の細部は、必ず最新の公式サイトでご確認ください。
参考(一次情報)
- CCUS(建設キャリアアップシステム)について・登録料: https://www.ccus.jp/p/about
- 労務費に関する基準(国土交通省): https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00044.html
- モデル就業規則について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
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