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移動や手当の決まりを変える時、職人にどう説明するか|1枚の紙と説明の順番

テーマ: 建設業の就業規則作成
30秒で結論

手当や移動の決まりを変える時の説明の順番や紙の様式は、国が決めていません。労働契約法4条は、働く人の理解を深め、契約の内容をできる限り書面で確かめるよう求めています。何を・いつから・なぜ変えたいか、その人の額を1枚の紙に書き、減る人へ先に話してから朝礼で説明し、合意をもらう、という順番が進め方の一例です。給料が下がる変更は、説明だけでなく本人の合意が原則で、就業規則や賃金規程に額があれば規則も直します。合意のない人に規則を変えて当てるなら、下がる額や話し合いの経過まで問われます。職人も自分の額を紙で確かめられます。

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明日の朝礼で言う、と決めたのは先週のことです。夜の台所のテーブルに、紙が1枚。遠い現場へ通う3人の手当を書き出したものです。1人は増え、1人は変わらず、1人は減ります。電卓は3回叩きました。額は合っています。手が止まっているのは、減る1人の名前の所です。いちばん長く一緒に現場を回ってきた職人です。顔を上げて「俺はいくらになるんですか」と聞いてくれるなら、まだいい。怖いのは、何も聞かずに「ん?」という顔のまま車へ向かう背中です。

現場ごとに額が分かれてきたのは、その時々で職人の顔を見て決めてきたからです。額の違いは、一人ひとりの事情を見てきた跡です。ただ、決まりが無いままでは、次の現場の額を聞かれても理由を言えません。それが会社の事情です。職人には、いまの額を当てにして組んだ家の支払いがあります。それが職人の事情です。だから言い出す前の晩に、変えた途端に信頼まで失わないかと怖くなります。

説明が通るかどうかを決めるのは話のうまさではなく、なぜこの額か、なぜこの現場からかを、御社の現場の数字で言えるかどうかです。よその相場やひな形には載っていないその答えを、御社の決め方として紙に持っておけば、社長が代わっても、現場が変わっても、同じ答えが返せます。

言い出す前に作るのは、1枚の紙です。次の4つを順に書きます。

  • 職人に渡す紙の見本と、人ごとの額の出し方
  • 朝礼の前から合意までの順番と、そのまま言える台詞
  • 「俺はいくらになるんですか」への答え方
  • 最初の給料日の2回目の話と、会社の形による分かれ目

現場の休憩所の机で、社長が朱色の紙を広げて3人の職人に説明し、右端の職人があごに手を当てて考えている場面

職人に渡す紙には、何を書けばいいですか?

職人に渡す紙に書くのは、変えたいこと・いつから・なぜ変えたいか・その人の額・変えないこと・移動の扱い・聞く先の7つで、1枚に収めます。紙の様式を国が決めているわけではなく、次の形は説明用の一例です。見本は、冒頭の職人、森さん(仮の名前)に渡す1枚で、額・時間・日付は計算の手順を見せるための仮の数字です。

遠い現場の手当の決まりを、こう変えたいと考えています

変えたいこと 遠方手当の額を、片道2時間までの現場は1日1,300円、2時間を超える現場は1日2,000円の2段にする案です。

いつから 12月1日の出勤分からの予定です。その前に働いた分は、今までの決まりで払います。

なぜ変えたいか 今までは現場が決まるたびに額を決めてきましたが、これからは遠さで決めます。現場の始業は8時なので、片道2時間を超えると家を出るのが6時より前になります。そこで、2時間を境に段を分けます。額は、去年の遠い現場で渡した額を、段ごとに延べ日数で割り、100円単位に切り上げて出しました。

森さんの額 去年と同じく片道2時間の現場へ年40日行ったとして、今は1,500円×40日=60,000円、これからは1,300円×40日=52,000円です。1年で8,000円減ります。(遠方手当だけを、支給額で比べた計算です。調整手当が無くなった後は、残業がある月の残業1時間の単価も下がります)差は来年5月分の給料まで、1日200円の調整手当で埋め、6月分から調整手当は無くなります。

変えないこと 基本の日給。高速代と宿泊代を会社が持つこと。

移動の扱い 会社がその人に、運転や資材の運搬、乗り合わせ、会社に集まっての積込み、現場から戻った後の片付けを頼んだ日や、社長や上司が同乗して車の中で打合せをする日など、移動が働いた時間に当たる日は、その日の移動を時間で払います。その日は遠方手当は付けません。

聞く先 社長の○○まで。11月20日まで待ちます。すぐに答えられないことは、日を決めて紙で返します。

文は全員同じで、「森さんの額」の欄だけが人ごとに変わります。ほかの職人の額は載せず、増える人にも同じ形で渡します。欄は次の手順で埋めます。

  1. 去年1年に遠い現場へ行った日数を、人ごと・段ごとに数える
  2. 今の額と新しい額に、その日数を掛ける
  3. 差を、増える額も減る額もそのまま書く
職人(片道)去年の額これからの額差
川口さん(1時間40分)1,000円×30日=30,000円1,300円×30日=39,000円9,000円増える
森さん(2時間)1,500円×40日=60,000円1,300円×40日=52,000円8,000円減る
西田さん(2時間20分)2,000円×30日=60,000円2,000円×30日=60,000円変わらない
3人の合計150,000円151,000円1,000円増える

表は社長の手元用です。額の出し方は、片道2時間までは川口さんと森さんの70日で90,000円なので約1,286円、100円単位に切り上げて1,300円。2時間を超える現場は西田さんの30日で60,000円なので2,000円です。数字は遠方手当の決め方の計算例と同じで、森さんはそこでいうB現場に通う人です。

いちばん書きにくいのは「1年で8,000円減ります」の1行です。ここを「少し変わります」とぼかすと、調整手当が終わった月の明細が答えを出してしまいます。額は支給額で書き、手取りの約束にはしません。調整手当(差額を一定の間補う手当)を付けるなら、いつまで補うかと、終わった後の額まで書きます。

実費の精算でなく決まった額で払う遠方手当は、残業代の計算のもとに入れて考えるのが安全です。調整手当も、残業代の計算のもとに入れて考えます。見本のように調整手当を1日いくらで払って差を埋める間は、残業1時間の単価は前と変わらず、調整手当が無くなった後に下がります。残業がある人は、同じ働き方で残業代も含めた支給総額を前と後で比べ、減る額を欄に書きます。

全員が同じ車で動く会社の紙

乗り合わせを会社が頼み、全員が同じ車で動く会社は、全員を時間で払う形になり、見本の遠方手当は付きません。この会社の紙なら、たとえば次の2つを書きます。

  • 新しい決まりで時間で払うのは、いつの出勤分からか(その前の分は、すべて下の「これまでの分」で確かめる)
  • これまでの分:これからの決まりとは別に記録で確かめ、払われていない分があれば、いちばん早く払える給料で払う

職人には受け取りが増える話で、会社には払いが増える話です。額は計算の手順を見せるための仮の数字です。ほかの手当がなく、所定8時間・日給16,000円なら1時間2,000円、時間外は25%増しで2,500円です(その月の時間外が60時間以内で、深夜に当たらない場合)。変形労働時間制を使わない会社で、法定休日(法律上の休日)ではない日に、現場で8時間働き、片道3時間かかるなら、往復6時間で1日15,000円、月7日で105,000円です。

職人には、どの順番で話せばいいですか?

手当の決まりを変える時の進め方の一例は、減る人へ先に1人ずつ話し、朝礼で変えたいことと理由を言い、紙を渡し、読んでもらった後で合意をもらう順番です。説明の順番を、国が決めているわけではありません。

  1. 減る人へ、朝礼の前に1人ずつ話す。「朝礼で手当の話をする。その前に、長く一緒にやってきたお前には言っておきたかった。遠さで段を分けたら、片道2時間までは1日1,300円になる。去年と同じだけ行ったとして、1年で8,000円減る計算だ。来年5月分までは調整手当で埋める」
  2. 朝礼で、変えたいことといつからを先に言う。「12月の出勤分から、遠い現場の手当を変えたい。増える人も、減る人もいる。自分の額は、あとで紙で渡す」
  3. なぜ変えたいかを、現場の数字で言う。「現場ごとに決めてきた額を、遠さで決めたい。始業8時の現場で片道2時間を超えると、家を出るのが6時より前になる。そこで段を分ける」
  4. 変えないことを言う。「日給は変えない。高速代と宿泊代は今までどおり会社が持つ」
  5. 1人ずつ紙を渡し、待つ日を言う。「自分の分はこの紙に書いてある。持って帰って読んでくれ。聞きたいことは今月の20日までに聞かせてくれ」
  6. 読んでもらった後で、減る人に合意をもらう。「読んでくれたか。それでよければ、この同意の紙に名前を書いてくれ。引っかかる所があれば、先に聞かせてくれ」

理由から話し始めると、職人は「で、俺はいくらなんだ」と思いながら聞くことになります。3番の理由は、社長の口から言います。職人が信じるのは、額を決めてきた社長が言う理由だからです。1番で「なんで俺が減るんですか」と返されたら、こう言います。「腕は日給で見ている。この手当は遠さの分だ。片道2時間までは、だれが行っても同じ額にする」。

全員がそろう朝がない会社は、2番から4番も1人ずつ話します。5番の紙は説明のための物で、同意書ではありません。6番では、前と後の額、実施の日、調整手当の終わりを書いた別の紙に、名前をもらいます。断られたら、12月1日に間に合わせることより、話を続けることを先に考えます。どこが引っかかるかを聞き、案や日取りを直します。それでも同意がない人の額は、原則として下げられないので、今のまま据え置きます。

総支給額が変わらない組み替えでも、本人へ先に説明し、合意して書面に残す流れをお勧めしています。総支給額を変えずに基本給と固定残業代を組み替えた例は、大阪の電気設備工事の会社の事例で紹介しています。

職人に聞かれたら、社長は何と答えますか?

額は紙で、理由は現場の数字で答え、分からないことは日を決めて返します。

聞かれる言葉社長の答え
「俺はいくらになるんですか」「この紙に書いてある。去年と同じ日数なら1年で8,000円減る。減る分は来年5月分まで調整手当で埋める」
「前の現場の分はどうなるんですか」「12月1日より前に働いた分は、今までの決まりで払う。新しい額はその日から先の分だけだ」
「なんであいつの方が多いんですか」「決まりは全員同じだ。違うのは、通った現場の遠さと日数と、運転や積込みを頼んだ日の時間だ。人の明細の話はしない。自分の分なら全部見せる」
「ハンドルを握った俺には付かないんですか」「運転を頼んだ日の移動は仕事の時間だ。手当じゃなくて時間で払う。手当は、仕事の時間に当たらない移動の負担に付ける。だから、直行も乗り合わせも本人が選べる日なら、同じ車でも、手当の人と時間の人が出る」
「要は、会社が払いたくないだけでしょう」「去年と同じ現場なら、調整手当が終わっても、会社が払う手当の合計は去年とほぼ同じだ。減らすために変えるんじゃない。全員をいちばん高い額にそろえるのは、今の見積では続けられない。そこは隠さない」

ハンドルの答えの土台は、働いた時間に当たる移動の支払いは必ず要る、ということです。どの移動が当たるかは手当の呼び名ではなく実態で決まります(乗り合わせの移動は残業になる?)。その人に遠さの手当も付けるかどうかは会社が決めて、規程と紙に書きます(見本は付けない形です)。

総額が減る変更なら、最後の答えは使えません。減ると先に言い、なぜ減らすのかを現場の数字で言います。

その場で答えられない時は、無理に答えません。「去年、運転した分はどうなるんですか」と聞かれたら、こう返します。「それは手当とは別の話だ。いい加減なことは言いたくない。記録を見て、次の給料日までに紙で返す」。

これからの決まりと、これまでの分は別の作業です。これまでの分はその時の実態で決まり、規則を変えても消えません。記録を見て確かめるのは3つで、その日の移動が働いた時間に当たるか、当たるなら、その時間の賃金が払われているかと、法定の時間を超えた分などに、割増の計算のもとに入る手当も含めた単価で割増が付いているかです。払われていない分があれば、賃金台帳と勤怠を並べて差額を計算すると大きさが分かります。もともとの給料日を過ぎた分なので、いちばん早く払える給料で払い、いくらをいつ払うかを紙に書いて渡します。先に払っておくと、手当の説明も信じてもらいやすくなります。

森さんは、紙を家へ持ち帰り、家の支払いと並べて見られます。

1回説明すれば、終わりますか?

1回では終わらないと考えて、最初の給料日にもう一度話す段取りまで決めておきます。朝礼のあと、森さんは紙を作業着のポケットにしまい、何も言わずに車へ向かいます。「分かりました」とは言いません。顔は「ん?」のままです。何も言われなかったことは、安心の材料になりません。

信頼が試されるのは、朝礼より最初の給料日です。昼の休憩の机に、明細と紙を並べてもう一度話します。遠方手当の欄だけを見た森さんは「やっぱり減ってますね」と言うかもしれません。「今月は4日行ったから、遠方手当は1,300円×4日で5,200円、調整手当は200円×4日で800円。合わせて今までと同じだ。6月分からは、紙のとおり調整手当が無くなる」。朝礼で言ったことと明細の数字が合っていること。2回目に確かめるのは、そこです。

話の中身は聞き分けます。計算が違うという話なら、記録を見て直します。額に納得がいかないという話なら、言い返さずに聞きます。聞いた話で、形のほうを直すこともあります。不利益変更だと言う従業員が出た時に、有給を消化した分を特別休暇として別に与えた会社もあります(お盆や年末年始に有給を充てた事例)。

顔が晴れないまま終わる日もあります。その時は次の給料日に、同じ紙でまた話します。

説明すれば、就業規則や手当は変えてよいのですか?

説明すれば変えてよい、とはなりません。給料が下がる方向の変更は、本人の合意を得て進めるのが原則です。就業規則や賃金規程、10人未満の会社が全員に渡している決まりの紙に手当の額が書いてある時は、本人が合意していても、それを下回る約束はその部分が無効になるので(労働契約法12条)、その規則や紙も一緒に直します。合意がない人には、就業規則を変える形で、周知(職人がいつでも見られるようにすること)と変更の合理性(下がる額の大きさ、変える必要、変えた後の中身、職人側との話し合いの経過などから見て妥当か)が問われます(労働契約法10条)。

人ごとの欄に減る額まで書くのは、山梨県民信用組合事件(最高裁 平成28年2月19日判決)の考え方によります。退職金の引き下げに管理職が署名押印した事案で、最高裁は、署名押印があっても直ちに同意があったとはいえず、変更の必要性の説明だけでなく、具体的な不利益の内容と程度の説明も要ったとして、審理のやり直しを命じました。手当を直接扱った判決ではありませんが、手当も賃金ですし、厚生労働省は労働条件の変更全般で十分な説明が必要としている(スタートアップ労働条件のQ&A)ので、減る額まで説明しておくのが安全と考えられます。

厚生労働省は、意見聴取・届出・周知の手続を踏んでも、それだけで就業規則が労働者を拘束するわけではなく、十分に説明して納得を得るべきだとしています(同じQ&A)。棚に規則が置いてあることと、森さんが自分の額を知っていることは違います。紙で渡すのは、労働契約法4条が、働く人の理解を深めること、労働契約の内容をできる限り書面で確認することを求めているからです。

10人未満の会社や、有期・特定技能の職人がいる時は、何が違いますか?

紙と話す順番は同じで、違うのは説明のほかに要る手続きです。

会社の形説明のほかに要ること
常時10人以上の事業場で就業規則がある(会社全体ではなく、本社・営業所などの単位で数えます)就業規則を変える時に法律で必要なのは、過半数で組織する労働組合(無ければ従業員の過半数代表者)の意見を聴くこと、意見書を付けて届け出ること、周知することです。聴くのは意見で、代表者の同意までは求められていません。進め方の一例は、意見を聴く→届け出る→周知する→施行日の順です。効力が生じるのは周知された時期以降と解されています(モデル就業規則の説明)。周知は施行日までに済ませます
常時10人以上の事業場で就業規則が無い就業規則を作って届け出る義務があります(労働基準法89条)。手続きは上の行と同じで、手当の決まりも書きます。今の職人の手当を下げる時は、作った規則だけに頼らず、一人ひとりとの合意が出発点になると考えられます
常時10人未満の事業場で就業規則がある届出の義務はありません。通達は、任意に作った就業規則も労働契約法の「就業規則」に含まれるとしています。変えた規則の周知は人数に関係なく要るので、職人がいつでも見られるようにしておきます
常時10人未満の事業場で就業規則が無い同じ決まりを全員に渡す紙にして始められます。今の条件を下げる時は、一人ずつ説明して同意をもらいます。合意した内容は、できる限り書面で確かめます。雇う時の労働条件通知書は10人未満でも必要です(長野労働局の説明)

意見書と代表者の選び方は就業規則の届出方法にまとめています。

有期の職人がいる時。期間を決めて雇っている職人から「なんで俺には付かないんですか」と説明を求められたら、会社は、正社員など通常の労働者との待遇の違いの内容と理由を説明しなければなりません。求めたことを理由に不利益に扱うことは禁止されています。「賃金は、各人の能力、経験等を考慮して総合的に決定する」といった説明では十分ではないとされています。2026年10月1日の改正で施行規則に加わったのは、有期やパートの方に労働条件を示す時に、待遇の違い(内容・理由)について説明を求めることができる旨も書面で示すことで、全員へ説明する新しい義務ではありません。同じ日から、ガイドライン(待遇の違いが不合理かどうかの考え方を国が示したもの)にも、待遇の体系を決める話し合いで有期やパートの方の意向を十分に考慮せず一方的に決めた場合も、待遇の違いが不合理と判断される事情として考慮されうる、と書き加えられました(※2026年11月時点)。

特定技能の方がいる時。手当を減らす・なくす場合や、就業場所を変える場合は、出入国在留管理庁への届出が必要になることがあります。届出は受け入れている会社が出すものです。変更後の雇用条件書は、その方が十分に理解できる言語で書き、内容を理解したうえで署名をもらう必要があるとされています(同庁の運用要領・令和8年10月版)。1号の方の手当の額や支給の条件を変える時は、国土交通省の建設特定技能受入計画の手続きも要ります。手当を増やす変更も変更の届出が要り、その方に不利な変更は、変える前の申請が要り、原則として認定されません(国土交通省の手引き)。出入国在留管理庁への届出が必要な時は、変更の日から14日以内です。

職人に言い出す前に、何から手を付ければいいですか?

最初に声をかける1人を決め、見本の「森さんの額」の欄だけ、御社の数字で書いてみてください。書けない所があれば、そこが職人に聞かれて詰まる所です。

職人の「なんでですか」に返す言葉は、現場の段取りの中からしか出てきません。私が建設業に絞っているのは、そのためです。

朝礼の前の晩。台所のテーブルの紙に、同じ3人の名前が並んでいます。減る人の額も、そのままです。違うのは、朝いちばんにかける言葉が決まっていて、なぜこの額か、なぜこの現場からかを、御社の現場の数字で言えることです。減る話を、全員の前でなく、先に自分の顔を見て言われた。その順番は、額が決まった後も職人の中に残ります。

職人に言い出す前の話から、Zoom30分の無料相談で聞かせてください。紙が白いままの段階で大丈夫です。職人への見せ方や、変える案がどこに影響するか、どの資料から比べればよいかは、御社の現場を聞いてから一緒に整理します。順番を確かめるだけで終わっても構いません。遠方の会社でも、オンラインでやり取りしながら進められます。

顧問の契約なしでの就業規則の作成は、スポット(1時間15,000円・15分単位・税別・2026年10月時点)でお受けしています。

顧問の場合は、就業規則の作成・改定が基本料金の中で、賃金規程や旅費規程も同じです。基本料金は月22,000〜28,000円(契約の年数が長いほど下がります・税別・2026年10月時点)です。従業員への説明会は別料金です(1回50,000円・税別・2026年10月時点)。規程に書く進め方は建設業の就業規則作成、金額の一覧は料金表にあります。

次に読むなら、下げる場合の判断と同意書の書き方をまとめた手当・日当を下げる就業規則の不利益変更です。

社員の方で、手当の話を聞いてこのページを読まれた方は、社長に見せていただくのがいちばんの近道です。ご相談は会社からお受けしています。

最新の制度は、厚生労働省などの公式サイトでご確認ください。

参考(一次情報)

説明の順番と紙の様式を定めた公的資料は、確認した範囲では見当たりませんでした(※2026年11月時点)。

よくあるご質問

労働基準法15条の明示は労働契約を結ぶ時の決まりで、契約の途中で手当の決まりを変える時に書面で出し直すことを一般に定めた条文は、確認した範囲では見当たりません(※2026年11月時点)。ただし、労働契約法4条は、変更の場面でも、理解を深めること、できる限り書面で確認することを求めています。有期契約を更新する時は、その都度の明示が要ります。
紙を渡して説明しておくことをお勧めします。手当を増やす時も、増える人と増えない人が同時に出て、「なんであいつの方が多いんですか」と聞かれるからです。厚生労働省のQ&Aも、十分な説明は不利益変更に限らず、労働条件の変更全般にあてはまるとしています。
返事がないことや、反対が出なかったことだけで、同意があったとは扱いません。まず、計算への疑問か、額そのものへの反対かを分けて聞きます。決めた日に間に合わせることより、話を続けて案を直すことを先に考えます。それでも同意がない人の額は、原則として下げられないので、今のまま据え置きます。就業規則がある会社なら、規則を変えて全員に当てる道もありますが、変えた規則を職人がいつでも見られるようにしたうえで、下がる額の大きさ、変える必要、変えた後の中身、職人側との話し合いの経過などから見て、妥当かが問われます。争いになり、交渉や訴訟が必要な時は弁護士の領域です。
移動が働いた時間に当たるかどうかは、手当の名前ではなく実態で決まります。呼び名を手当に変えるだけでは、働いた時間のままです。たとえば、会社が集合や運転を頼むのをやめ、直行直帰が自由で、移動中に仕事の指示も移動手段の指示もなく、自由に使える時間になる形へ実態を変える時に(当たるかは個別の実態で判断されます。厚生労働省の建設業向けQ&A)、移動の残業代も含めて前と後を人ごとに比べ、減る額を紙に書いて先に話します。給料が下がる方向の変更は、本人の合意を得て進めるのが原則です。就業規則や賃金規程、10人未満の会社が全員に渡している決まりの紙に、手当の額や、移動を働いた時間として払う定めが書いてある時は、本人が合意していても、それを下回る約束はその部分が無効になるので(労働契約法12条)、その規則や紙も一緒に直します。合意がない人には、就業規則を変える形で、周知と変更の合理性が問われます(労働契約法10条)。
自分の額がいくらになるか、いつから変わるか、何が変わらないかを、返事をする前に家で読み返せます。最初の給料日に明細と見比べられるので、言った言わないになりにくくなります。聞きたいことをだれに、いつまでに聞けばいいかも手元に残ります。
社会保険労務士 中峯崇文

この記事の執筆・監修:中峯 崇文(社会保険労務士)

中峯社労士事務所 代表|社会保険労務士 登録番号 第27110112号

建設業に特化した社会保険労務士として、残業対応や一人親方の移行など、現場の労務を毎月扱っています。外国人雇用では自ら監理団体を立ち上げて運営し、採用と定着の設計まで踏み込みます。

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