キャリアアップ助成金 正社員化コース|建設業で職人を正社員にする流れ
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期契約などで働く人を正社員に転換した事業主が対象です。転換する前にキャリアアップ計画を労働局へ提出し、就業規則に正社員への転換制度を定めておくことが要件で、口頭で登用してしまうと対象から外れます。一人親方を外注から直接正社員にする形は、転換前に有期契約労働者として雇用されていた期間がないため対象にならないことがあり、外注から有期雇用を経て正社員へという順番の設計が必要です(※2026年7月時点・最新の要件は公式で確認)。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます有期契約で入って3年目になる26歳の職人。段取りも覚えたし、若い子の面倒も見るようになった。従業員7人の鉄筋工事の会社の社長は、来月から正社員にしてやろうと決めています。朝礼のあと、「おまえ、来月から正社員な」と肩を叩く——この一言が出た瞬間に、使えたはずの助成金が消えます。
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、転換する前に手を打っておかないと使えない制度です。この記事では、契約社員や一人親方あがりの職人を正社員にする場面で、どういう順番で進めればよいかを整理します。

正社員化コースとは、どういう助成金ですか?
有期契約などで働いている労働者を正社員に転換した事業主に対して支給される制度です。国が正社員として働ける人を増やしたいという趣旨のもので、雇用関係助成金の中でも建設業の会社が最も使う機会の多いもののひとつです。
支給額やコースの区分、賃金の増額要件などは年度ごとに見直されるため、この記事では金額を書きません(※2026年7月時点・最新は厚生労働省の公式サイトでご確認ください)。ここで押さえていただきたいのは、要件の中身より順番です。
何を、どの順番でやるのですか?
実務では、次の6ステップで進みます。1と2を飛ばすと、その転換は対象になりません。
- キャリアアップ管理者を決める:社内で取り組みを管理する担当者を置きます。小さな会社では社長本人でも構いません。
- キャリアアップ計画を作り、労働局へ提出する:どんな取り組みを、いつからいつまでやるのかを記した計画書です。取り組みを始める前に提出し、認定を受けておく必要があります。
- 就業規則に「正社員への転換制度」を定める:転換の条件・手続き・時期を規定し、届出と周知まで行います。ここが無いまま転換しても、規定にもとづく転換とは言えません。
- 有期契約労働者として一定期間雇用する:転換前に、雇用保険の被保険者として6か月以上雇用されていることが求められます(※2026年7月時点)。
- 就業規則の規定にもとづいて正社員に転換する:労働条件通知書を交付し、転換日を明確にします。賃金は、転換の前後で一定割合以上を増額することが要件とされています(割合は年度で変わります)。
- 転換後6か月分の賃金を支払い、期限内に支給申請する:申請には期限があり、過ぎると受け付けられません。
「来月から正社員な」の一言だけで済ませてしまうと、2も3も5の書面も存在しません。助成金の審査は、社長の善意ではなく書類と実態を見ます。
一人親方を正社員にした場合も、対象になりますか?
建設業でいちばん質問が多いのがここです。答えは「そのままの形では、対象にならないことがあります」。
この制度は「有期契約労働者などを正社員に転換すること」への助成です。外注として請負契約で働いていた一人親方を、ある日から正社員として雇い入れた場合、転換前に有期契約労働者として雇用されていた期間が存在しません。つまり「転換」ではなく「新規の採用」として扱われ、要件を満たさない可能性があります(※2026年7月時点・最新の要件は公式サイトでご確認ください)。
現実的なのは、次の順番です。
- まず実態を仕分けし、雇用に移すべき人を決める
- 有期雇用契約として雇い入れる(社会保険・雇用保険の手続きもここで行う)
- 6か月以上の雇用期間を満たす
- 就業規則の転換制度にもとづいて正社員へ転換する
一人親方の社員化そのものの進め方は一人親方を従業員として雇い直す手順で詳しく扱っています。移行の相談を受けたときに「どうせ雇うなら、途中に有期を挟むかどうかで助成金の可否が変わる」と先に言えるかどうか——ここが、建設業の実務を毎月扱っているかどうかの差が出る場面です。当事務所では、一人親方から従業員への移行対応を毎月のように扱っています。
建設業でつまずきやすい点はどこですか?
- 就業規則に転換制度の記載がない:ひな形をそのまま使っている会社に多いパターンです(ひな形のままだと危ない5つの落とし穴)。
- 日給月給で、賃金の増額をどう示すか整理できていない:日給の単価だけを上げても、月の稼働日数が変われば比較が成り立ちません。賃金規定の組み立て方は日給月給の建設業の賃金規定を参照してください。
- 出勤簿がない・現場ごとにバラバラ:転換前後の労働時間と賃金を証明できません。
- 社会保険・雇用保険の加入がずれている:資格取得の日付と雇用契約の開始日が食い違うと、審査で照会が入ります。
- 正社員側の制度が就業規則に定まっていない:昇給や賞与・退職金といった、正社員としての処遇が規定されていることを求められます(※2026年7月時点)。
- 転換の書面がない:口約束で登用してしまい、いつ正社員になったのかを示す書類がない。
どれも「助成金のための特別な準備」ではなく、労務の土台そのものです。だからこそ、助成金が不支給になるパターンは制度が変わっても同じ顔ぶれになります。
正社員にすると、会社はどう変わりますか?
- 制度としては:就業規則に転換制度を持ち、計画届を先に出しておけば、登用のたびに助成の対象になり得ます。1人限りの話ではありません。
- この会社はどう有利になるか:求人票に「正社員登用制度あり」と実態をともなって書けます。社会保険の加入状況もそろうため、元請からの確認や経審のW点にも効いてきます。
- 社長の毎日はどう変わるか:3年目の職人に「来月から正社員な」と伝える場面が、肩を叩く一言ではなく、労働条件通知書を渡して条件を説明する時間に変わります。本人は家に持ち帰って家族に見せられる。辞める理由が一つ減り、採り直す手間も減ります。
次の登用に間に合わせるには、いつ動きますか?
すでに正社員にしてしまった分は、残念ながら取り戻せません。ただ、次の1人には間に合います。来期に登用しそうな人が1人でも思い浮かぶなら、その時点でキャリアアップ計画と就業規則の整備を始めれば、順番は正しく組み直せます。誰をいつ登用するかを年間の計画に落とす考え方は助成金の年間活用計画にまとめました。
当事務所は建設業に特化し、助成金の専門対応部署を置いています。キャリアアップ計画の作成・提出、就業規則への転換制度の追加、転換時の書面整備、支給申請までを一括して進められます。費用は完全成果報酬で、受給に至らなければ発生しません。3年分をまとめて設計する活用プランには返金保証も付けています(※2026年7月時点・詳細は料金ページ)。サポートの全体像は建設業の助成金サポートをご覧ください。
「うちの◯◯を来年正社員にしたい」——その一言からで構いません。Zoom30分の無料相談で、必要な順番を一緒に組み立てられます。要件・支給額は年度で変わりますので、申請の際は必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。
参考(一次情報)
- キャリアアップ助成金(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118801_00013.html
- 事業主の方のための雇用関係助成金(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html
- モデル就業規則について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
よくあるご質問
「うちに使える助成金、眠っていませんか?」
当事務所の助成金サポートは完全成果報酬。受給できなければ費用はかかりません。御社の採用予定を伺い、「使える制度があるか」の調査からZoom30分・無料でご相談いただけます。
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