土曜の現場が止められない建設会社の、残業時間の抑え方
「現場の都合で土曜出勤が解消できず、残業時間が上限を超えそう」
土曜出勤が解消できない建設会社の残業超過には、休憩時間を30〜60分増やして1日の所定労働時間を7〜7.5時間に設計し直す方法と、1年単位の変形労働時間制で隔週土曜をあらかじめ労働日に組み込む方法があります。変形制はカレンダーの事前確定と周知が条件で、設定外の土曜に働けば割増賃金が発生します。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます朝6時、現場は土曜も動く。元請の工程表に「土曜稼働」と入っていれば、こちらの都合で止められません。かといって36協定の上限は待ってくれない——建設業でよくある行き詰まりです。
このご相談も、まさにその形でした。「土曜を休みにできないなら、うちはもう上限を超えるしかないのか」。結論から言うと、土曜を動かさずに時間を収める方法があります。
ご相談の内容
1日の所定労働時間を8時間とし、休憩は12時からの1時間だけ。この設定のまま土曜も稼働しているため、休日勤務がそのまま残業としてカウントされ、時間外労働があっという間に上限に迫るという状態でした。
一方で現場の実態を伺うと、12時に15〜30分、15時にも15〜30分の休憩を実際には取っていました。実態としては休んでいるのに、就業規則の上では「休憩1時間・実働8時間」のままだったわけです。
当事務所の対応
まず、休憩時間を30〜60分増やすことをご提案しました。実際に取っている午後の休憩を、制度としてきちんと休憩時間に組み込むという整理です。
これだけで1日の所定労働時間は8時間ではなく7時間〜7時間30分になります。現場にいる時間は1分も変わっていないのに、月あたりの総労働時間は下がる。時間外としてカウントされる部分がその分減ります。
そのうえで、1年単位の変形労働時間制もあわせてご説明しました。年間のカレンダーで労働日と休日をあらかじめ決めておく制度で、隔週土曜を最初から労働日として組み込んでおけば、その土曜は割増賃金の対象になりません。繁忙期に労働時間を寄せ、閑散期で戻すという建設業向きの設計ができます。
気をつけたいポイント
1年単位の変形労働時間制は、あらかじめ労働日・休日・勤務時間をカレンダーで定め、事前に労働者へ周知することが義務づけられています。ここが抜けると制度として成立しません。
そして最も間違えやすいのが、設定した労働日ではない土曜に働いた場合は、通常どおり割増賃金が発生するという点です。「変形にしたから土曜は残業代がいらない」と思い込んだまま運用すると、後から未払い賃金として一気に表面化します。
休憩の増やし方も同じで、実際に休ませていなければ意味がありません。書面だけ整えて現場が今までどおりなら、それは記録と実態が食い違っている状態です。調査で最初に突かれるのはそこです。
この整理をすると、社長の何が変わるか
土曜を止められないという事実は変わりません。変わるのは、「上限を超えるかどうか」を工程表ではなく自社の設計で決められるようになることです。
元請から土曜稼働の連絡が来たときに、「今月はあと何時間使える」と即答できる。職人から「今日の休憩どうします」と聞かれたときに、決めた形がそのまま答えになる。残業時間の心配で工程を断る、という判断をしなくて済むようになります。
労働時間の設計は、建設業の就業規則作成の中でも最も効く部分です。土曜と割増賃金の関係は「土曜日に働いたら、残業代を出さないといけないの?」建設業の週休と割増賃金に、上限規制の現状確認は建設業の時間外労働上限規制、今の実態チェックリストに、協定の書き方は建設業の36協定の書き方・特別条項の記載例(新様式対応)に、1年単位の変形労働時間制の年間カレンダーと協定届の作り方は建設業の1年単位の変形労働時間制にまとめています。
よくあるご質問
※ 実際にお受けしたご相談をもとに、事業所が特定されないよう内容を一般化して掲載しています。対応の内容は、会社の規模・契約形態・現場の実態によって変わります。
「うちも、これと同じ状態です」
同じご相談でも、会社の規模と現場の回し方で打ち手は変わります。まずは御社の今の形をお聞かせください。図面を見ずに見積もれないのと同じで、そこからでないと正確なことは申し上げられません。
ご相談で最も多いのは、社長が現場に出ている従業員5〜10人の建設会社さまです。
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