建設会社の育児・介護休業規程|2025年改正で見直す点と男性育休の段取り
育児・介護休業法の改正(2025年4月・10月施行)で、従業員数に関係なく全ての会社が育児介護休業規程の見直しを求められています。子の看護等休暇は小学3年生修了まで、残業免除は小学校就学前までに広がり、10月からは3歳〜就学前の子を持つ従業員向けに「柔軟な働き方を実現するための措置」を2つ以上用意する義務があります。建設現場では時差出勤・養育両立支援休暇・短時間勤務が選びやすい組み合わせです。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます従業員9人の設備会社。夕方、現場から戻った30代の職人が、軽トラの荷台から配管材を下ろしながら切り出します。「社長、来月子どもが生まれるんです。育休って、うちでも取れますか」。おめでとうと返しながら、社長の頭の中では来月の工程表がめくれていきます。あの現場の段取りを任せているのは彼で、代わりに入れる職人はいない。事務所のキャビネットから育児介護休業規程を出してみると、10年前にもらったひな形に社名を入れただけのもの——。「取れる」と答えていいのか、何日休むのか、その間の給料や保険料はどうなるのか。この記事では、2025年4月と10月に施行された育児・介護休業法の改正で、建設会社の育児介護休業規程のどこを直せばいいのかを整理します。あわせて、現場仕事の会社が「柔軟な働き方を実現するための措置」をどう選ぶか、産後パパ育休を取らせるときの段取り、育休中のお金の流れまで、社長が次に知りたくなる順番でお伝えします。
2025年の育児・介護休業法の改正で、育児介護休業規程の何を直せばいいですか?
今回の改正は、令和6年5月に公布された法律(令和6年法律第42号)によるもので、柱は3つです。子の年齢に応じた柔軟な働き方の拡充、育児休業の取得状況を公表する会社の拡大、そして介護離職を防ぐための両立支援の強化。施行は2段階に分かれていて、2025年4月1日と2025年10月1日に順番に始まりました。
9人の会社に関係するものを、規程を直す必要があるかどうかで並べるとこうなります。
| 施行 | 何が変わったか | 規程・社内の手順 |
|---|---|---|
| 2025年4月 | 子の看護休暇が「子の看護等休暇」に。対象が小学3年生修了までに広がり、学級閉鎖や入園式・卒園式なども取得理由に | 規程の見直しが必要 |
| 2025年4月 | 残業免除(所定外労働の制限)を請求できる人が、3歳未満の子の親から小学校就学前の子の親に拡大 | 規程の見直しが必要 |
| 2025年4月 | 3歳未満の短時間勤務の代わりの措置に「テレワーク」を追加 | 労使協定で代わりの措置を選ぶ会社は見直し |
| 2025年4月 | 介護に直面した従業員への個別の周知・意向確認、40歳になる従業員への情報提供、介護休業などを申し出やすくする環境づくり | 周知の書式と手順を用意 |
| 2025年4月 | 育児・介護のためのテレワーク導入 | 努力義務 |
| 2025年4月 | 育児休業の取得状況の公表義務が従業員300人超の会社に拡大 | 9人の会社は対象外 |
| 2025年10月 | 3歳から小学校就学前の子を持つ従業員向けに「柔軟な働き方を実現するための措置」を2つ以上用意 | 規程の見直しが必要 |
| 2025年10月 | 子が3歳になる前の個別の周知・意向確認 | 周知の書式と手順を用意 |
| 2025年10月 | 妊娠・出産の申出時と子が3歳になる前に、仕事と育児の両立について個別に意向を聴き、配慮する | 聴き取りの書式と手順を用意 |
(※施行日・対象範囲は2026年9月時点で厚生労働省のリーフレットにより確認)
ポイントは、会社の規模で免除される項目がほとんど無いことです。公表義務のような大企業向けの項目を除けば、従業員9人の設備会社にも同じ義務がかかります。
育児・介護のための休暇や休業は、就業規則の「休暇」に当たる定めです。育児介護休業規程を別冊にしていても就業規則の一部として扱われるので、常時10人以上の事業場では変更のたびに労働基準監督署への届出が必要になり、10人未満でも従業員に周知しなければ効力を持ちません。意見書のもらい方や周知の方法は就業規則の届出と意見書の手順にまとめています。
規程を今の法律に合わせておけば、職人から「取れますか」と聞かれたとき、キャビネットの規程を開いて「うちはこうです」と答えられます。その場で調べ始める社長と、規程を指さして5分で話が終わる社長。違いは、この表の上から順に手を入れたかどうかだけです。
子の看護等休暇や残業免除は、職人にも使わせないといけませんか?
朝6時半、資材置き場。出発前の職人のスマホに保育園から連絡が入ります。「クラスで学級閉鎖になりました」。去年までの規程なら、看護休暇の理由は子どもの病気・けがと予防接種・健康診断だけ。小学2年生の子の学級閉鎖は対象外でした。2025年4月からは、これも休暇の理由に入っています。
子の看護等休暇は、何が変わりましたか?
- 対象の子:小学校就学前まで → 小学3年生修了まで
- 取得できる理由:①病気・けがの世話 ②予防接種・健康診断に加えて、③感染症に伴う学級閉鎖等 ④入園(入学)式・卒園式
- 除外できる人:労使協定で「継続雇用6か月未満」を除外する仕組みは廃止。「週の所定労働日数が2日以下」の除外は残っています
- 日数:変わらず1年に5日、子が2人以上なら10日(※2026年9月時点)
日給の職人か月給の社員かは関係ありません。規程の対象から外せるのは、日々雇い入れる人と、労使協定で除外した週2日以下の人です。
規定例(厚生労働省の規定例をもとに要約) 第◯条 小学校第3学年修了までの子を養育する従業員(日雇従業員を除く)は、次に定める当該子の世話等のために、年次有給休暇とは別に、当該子が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、子の看護等休暇を取得することができる。 一 負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話 二 当該子に予防接種や健康診断を受けさせること 三 感染症に伴う学級閉鎖等になった当該子の世話 四 当該子の入園(入学)式、卒園式への参加 2 子の看護等休暇は、時間単位で始業時刻から連続又は終業時刻まで連続して取得することができる。
※1年間の区切り方や、休暇中の賃金を有給にするか無給にするかは、自社に合わせて決めて規程に書きます。規定例をそのまま使わず、自社の給与の決め方と合わせて調整してください。
残業免除(所定外労働の制限)は、現場にどう効きますか?
所定外労働の制限とは、従業員が請求したら、事業の正常な運営に支障がある場合を除いて、決まった勤務時間を超えて働かせないという制度です。2025年4月から、小学校就学前の子を育てる従業員なら請求できるようになりました。
建設現場で効いてくるのは、「夕方の片付けと翌日の積込みは、残って全員で」という段取りです。5歳の子を保育園に迎えに行く職人から請求があれば、その人を残業ありきの頭数に入れられません。労使協定を結べば入社1年未満などの従業員は対象から外せますが、結んでいなければ外せません。36協定(時間外労働をさせるための労使協定)で残業の枠を取っていても、この請求が優先されます。
介護の側は、何を用意すればいいですか?
職人の高齢化が進む建設業では、親の介護のほうが先に来る会社も少なくありません。2025年4月から、次の3つが義務になっています。
- 介護に直面したと申し出た従業員への個別の周知と意向確認:介護休業などの制度、申出先、介護休業給付金について個別に伝え、使う意向があるかを確認します。方法は面談・書面・FAX・電子メールなどから選べます。
- 40歳になる従業員への情報提供:40歳に達する年度、または40歳になった翌日から1年間のどちらかで、同じ内容を伝えます。
- 申し出やすくする環境づくり:①研修 ②相談窓口の設置 ③自社の利用事例の収集・提供 ④利用を進める方針の周知、のいずれかを実施します(複数が望ましいとされています)。
9人の会社なら、相談先を社長か事務担当に決めて全員に知らせる、方針を1枚にまとめて朝礼で配る、といった形から始められます。
休暇の理由と日数が規程に書いてあれば、朝の電話1本で「今日は看護等休暇で」と処理が決まります。休ませていいのか、欠勤扱いでいいのかを毎回迷わなくて済むのが、社長にとっての一番の変化です。
柔軟な働き方を実現するための措置は、現場仕事の会社でどう選べばいいですか?
4歳の子がいる職人の朝。現場の集合は7時半、保育園が開くのも7時半。奥さんの出勤も早く、どちらかが送らないといけない——。2025年10月から、会社はこうした3歳から小学校就学前の子を育てる従業員のために、次の5つの中から2つ以上を選んで用意する義務を負っています。従業員は、会社が用意した中から1つを選んで使います。
| 選択肢 | 法律上の条件 | 建設現場での使いやすさ(目安) |
|---|---|---|
| ① 始業時刻等の変更 | フレックスタイム制、または始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤)。1日の所定労働時間は変えない | 現場の開始時刻に合わせにくい面はあるが、集合を遅らせて別の車で入る・早出して早上がりする形なら組みやすい |
| ② テレワーク等 | 1日の所定労働時間を変えず、月10日以上使える。原則として時間単位で使える | 現場作業の職人には難しい。積算・図面・書類を担う社員がいる会社なら候補になる |
| ③ 保育施設の設置運営等 | ベビーシッターの手配と費用負担なども含む | 費用がかかるため、小規模の会社では選ぶことが少ない |
| ④ 養育両立支援休暇 | 1日の所定労働時間を変えず、年10日以上取れる。原則として時間単位で取れる | 行事や通院に合わせて1日単位で休む形なら、工程に組み込みやすい |
| ⑤ 短時間勤務制度 | 1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む | 午後の早い時間に上がる班編成ができる会社なら使いやすい |
(※法律上の条件は2026年9月時点。使いやすさは建設現場を想定した目安です)
現場作業が中心の会社なら、①時差出勤+④養育両立支援休暇、または④養育両立支援休暇+⑤短時間勤務の組み合わせが検討しやすいでしょう。テレワークができないことを理由に困る必要はありません。
選ぶときに押さえておく点は4つです。
- 選ぶ前に意見を聴く:過半数で組織する労働組合、ない場合は過半数代表者(従業員の代表として意見を言う人)から意見を聴く機会を設けます。
- 対象から外せる人:労使協定を結べば、勤続1年未満の人と週の所定労働日数が2日以下の人を外せます。規程に書くだけで協定を結んでいなければ外せません。
- 時間単位の休暇が難しい作業:養育両立支援休暇は原則として時間単位で取れるようにしますが、業務の性質上、時間単位の取得が難しいと認められる具体的な業務があれば、労使協定でその業務の従事者を時間単位の対象から外せます。高所作業の途中で抜けられない、といった事情が当てはまるかを検討する価値があります。ただし1日単位の取得は拒めません。
- 賃金の扱い:短時間勤務や養育両立支援休暇で働かなかった時間分を無給にすることは差し支えありませんが、その時間を超えて減額したり、賞与や昇給で不利に計算したりすることは禁止されています。
規定例(厚生労働省の規定例をもとに要約) 第◯条 3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員は、申し出ることにより、次のいずれか1つの措置を選択して利用することができる。 一 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ 二 養育両立支援休暇 2 養育両立支援休暇は、年次有給休暇とは別に、1年間につき10日を限度として取得することができる。
※時差出勤の時刻の組み合わせ、申出の期限、休暇中の賃金の扱いは、自社の現場の始業時刻や給与の決め方に合わせて調整が必要です。
法律が求めるのは2つですが、3つ以上を用意すると、後で触れる両立支援等助成金のコースの対象になり得ます。「子どもが小さいうちは辞めるしかない」と職人に思わせない選択肢が規程に並んでいれば、30代の職人が離れていく理由が一つ減ります。人が足りない現場ほど、辞められないための2つを先に決めておく意味があります。
「来月子どもが生まれます」と言われたら、会社は何をしなければいけませんか?
冒頭の場面に戻ります。「育休って取れますか」と聞かれた社長が、つい口にしがちなのが「取れるけど、今の現場がなあ」という一言です。悪気はなくても、法律は取得を控えさせるような周知や意向確認をしてはならないとしています。答え方には手順があります。
申出を受けたときにやること
- 個別の周知と意向確認:本人または配偶者の妊娠・出産の申出を受けたら、育児休業と産後パパ育休の制度、申出先、育児休業給付と出生後休業支援給付、育休中の社会保険料の扱いを個別に伝え、取得する意向を確認します。方法は面談・書面・FAX・電子メールなどから選べます。
- 両立についての意向聴取と配慮(2025年10月から):同じタイミングで、①勤務時間帯 ②勤務地 ③両立支援の制度を使う期間 ④業務量や労働条件など、仕事と育児を両立するための希望を個別に聴きます。聴いた内容は、自社の状況に応じて配慮します(勤務時間帯や配属現場の調整、業務量の見直しなど)。
子どもが3歳になる前にやること(2025年10月から)
- 柔軟な働き方の措置の個別周知と意向確認:子が1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日までの間に、会社が用意した2つ以上の措置の内容、申出先、残業免除などの制度を個別に伝え、使う意向を確認します。
- 両立についての意向聴取と配慮:同じ時期に、上の2と同じ内容の聴き取りをもう一度行います。
規定例(厚生労働省の規定例をもとに要約) 第◯条 会社は、従業員から本人又は配偶者が妊娠・出産等したことの申出があったとき、また、従業員の子が1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日までの間に、当該従業員に対して、仕事と育児の両立の支障となる個別の事情の改善に資する事項(勤務時間帯、勤務地、育児両立支援制度等の利用期間など)に関する意向の聴取を実施する。
※誰が・どの書式で聴き取るかは、自社の体制に合わせて決めてください。
厚生労働省の規定例の解説では、個別の周知は従業員が自分から知らせやすい職場環境が前提で、そのためには育児休業等に関するハラスメントを防ぐ措置が講じられている必要があるとされています。現場の先輩からの「男が育休かよ」という一言を放っておかないためのルールは、建設業のハラスメント規程の作り方とあわせて整えておくと安心です。
周知する内容を1枚のシートにしておけば、「おめでとう」の翌日に10分の面談で済みます。制度も給付も保険料も一度に伝えてしまえば、職人は奥さんと家で相談でき、社長は何日抜けるのかを早い段階でつかめます。答えに詰まる時間が、工程を組み替える時間に変わります。
産後パパ育休を取らせたら、現場の段取りはどう組めばいいですか?
産後パパ育休(正式には出生時育児休業)は、子の出生直後に取りやすくした休業で、通常の育児休業とは別に取得できます。仕組みは次のとおりです(※2026年9月時点)。
- 取れる時期と日数:子の出生後8週間以内に、4週間(28日)まで
- 分割:2回まで分けて取れます。2回に分ける場合は、最初にまとめて申し出ます
- 申出の期限:原則として休業開始の2週間前まで。雇用環境の整備などを労使協定で定めれば、2週間超〜1か月以内の期限にすることもできます
- 会社は拒めない:要件を満たす申出を、会社が拒むことはできません。申出が期限より遅れた場合は、会社が一定の範囲で開始日を指定できます
- 休業中の就業:労使協定を結んでいる場合に限り、本人が申し出た範囲で会社が日時を示し、本人が同意すれば就業できます。就業日数の合計は休業期間中の所定労働日数の半分以下などの上限があります
- 対象外の人:日々雇い入れる人は対象外です。期間を定めて雇う人は、一定の期間内に契約が満了して更新されないことが明らかでなければ対象になります
建設現場の段取りに落とすと、次の流れになります。
| 時期 | 会社がやること |
|---|---|
| 妊娠の報告を受けたとき | 個別の周知・意向確認と意向聴取。出産予定日を工程表に書き込む |
| 出産予定日の1〜2か月前 | 休む時期と分け方の希望を聞き、代わりに入る職人・応援の手配を決める |
| 休業開始の2週間前まで | 休業の申出書を受け取り、取扱いを本人に通知する |
| 出生後8週間以内 | 休業。就業を認める場合は、協定と本人の同意の範囲で |
たとえば、出生直後に2週間、配管の仕込みが一段落する時期にもう2週間、と2回に分ける形は、本人の希望に沿う限り、工程の谷と合わせやすい取り方です。ただし、休む時期を決めるのは本人の申出で、会社から「この時期に取れ」と押し付けることはできません。休業中の就業も、会社から一方的に頼めるものではない点に注意が必要です。
代わりに現場へ入る職人に手当を出す場合は、両立支援等助成金の「育休中等業務代替支援コース」の対象になり得ます。人が抜ける穴を、手当と助成金で埋める設計が取れます。
出産予定日が工程表に書いてあれば、「来月いきなり抜ける」は起きません。2か月前から応援の職人を押さえ、段取りを先に渡しておける。社長が現場に張り付いて穴を埋める1か月が、段取りを組み替える数日に変わります。
育休中の給料・社会保険料・給付はどうなりますか?
職人が一番気にするのは、休んでいる間の家計です。そして社長が気にするのは、会社の負担です。整理すると、次のようになります。
| 項目 | 内容(※2026年9月時点) |
|---|---|
| 会社が払う給料 | 休業中の賃金をどうするかは規程で定めます |
| 社会保険料(健康保険・厚生年金) | 3歳未満の子の育休期間中は、申出により本人分も会社分も免除。月末に休業している月、または休業を始めた月に14日以上休業した場合のその月が対象 |
| 賞与の社会保険料 | 賞与月の末日を含む、連続して1か月を超える休業の場合に限り免除 |
| 育児休業給付 | 休業開始前の賃金の67%(休業開始から181日目以降は50%) |
| 出生後休業支援給付金(2025年4月創設) | 子の出生直後の一定期間に、原則として両親がともに14日以上の育休(産後パパ育休を含む)を取った場合、**最大28日間、賃金の13%を上乗せ。育児休業給付と合わせて80%**になり、保険料の免除などと合わせて「手取り10割相当」になる設計 |
育児休業給付や出生後休業支援給付は、会社が払うものではなく雇用保険から支給されます。社会保険料の免除は自動ではなく、申出が必要です。
現場の段取りと関係するのが、保険料免除の「14日」と「1か月超」という線です。月の途中から2週間の産後パパ育休を取り、月末をまたがずに終わる場合でも、休業を始めた月の中で14日以上になるように日を組むと、その月の保険料が免除の対象になります。一方、賞与を出す月に短い育休を取っても、賞与の保険料は免除されません。休む日をどこに置くかで本人の手取りが変わるので、申出の相談を受けた段階で、日付を一緒に確認しておくと喜ばれます。
個別の周知で伝える事項には、この給付と保険料の扱いも含まれています。「給料が止まったら生活できない」という不安が取得をためらわせる一番の理由なので、数字で見せられるかどうかで、職人の返事が変わります。社長にとっても、会社の保険料負担がどの月に軽くなるのかが先に分かれば、休業中の資金繰りを落ち着いて組めます。
何から手を付ければいいですか?
まず、今の育児介護休業規程を横に置いて、次の5つを確認してください。
- 子の看護等休暇が「小学3年生修了まで」になり、学級閉鎖・入園式等の理由が入っているか
- 残業免除の対象が「小学校就学前の子」になっているか
- 柔軟な働き方を実現するための措置が2つ以上書かれ、選ぶ前に過半数代表者の意見を聴いたか
- 妊娠・出産の申出時、子が3歳になる前、介護の申出時、40歳の年度に使う周知・聴き取りの書式があるか
- 産後パパ育休の申出期限・分割・休業中の就業について、自社の扱い(労使協定を結ぶかどうか)が決まっているか
1つでも抜けていれば、規程は2025年の改正前のままです。直す順番の付け方や、意見聴取から周知までの流れは就業規則の見直し・改定の進め方で解説しています。厚生労働省は令和7年4月・10月施行に対応した規定例を公開しているので、下敷きにして自社の現場に合わせて書き換えるのが近道です。
規程を整えると、助成金の入口にも立てます。育児・介護に関する助成金は両立支援等助成金にまとまっていて、2026年度は、雇用環境の整備などを行ったうえで、男性が子の出生後8週間以内に一定日数以上(1人目は5日以上)の育休を取った場合の「出生時両立支援コース」(1人目20万円)、柔軟な働き方の制度を3つ導入し対象の従業員が利用した場合20万円・4つ以上で25万円の「柔軟な働き方選択制度等支援コース」、育休中の業務を代わりに担う人への手当や新規雇用を支える「育休中等業務代替支援コース」などがあります(※2026年9月時点。要件・金額は年度で変わるため、詳細・最新の要件は厚生労働省公式サイトでご確認ください)。建設業で使える助成金の全体像は建設業で使える雇用関係助成金一覧に、規程が古いと不支給になるパターンは就業規則がないと助成金はもらえない?にまとめています。
育児介護休業規程も含めて、自社の就業規則を今の法律と現場に合わせて整えたい方は、建設業の就業規則作成のページをご覧ください。当事務所では、就業規則の作成・改定を顧問の基本料金内で行っているため、法改正のたびに規程を直す費用を別に心配する必要はありません。「来月、職人が育休を取りたいと言っている。何から始めればいいか」という段階でも、Zoom30分の無料相談で、規程のどこを直し、誰にいつ何を伝えるかを一緒に整理できます。最新の制度や金額は、必ず公式サイトでご確認ください。
参考(一次情報)
- 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf
- 育児・介護休業等に関する規則の規定例(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html
- 令和4年10月から育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が変わります(日本年金機構): https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202210/100302.html
- 育児休業給付の内容と支給申請手続(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html
- 出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツール(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/syussyougo_kanishindan_00001.html
- 2026(令和8)年度 両立支援等助成金のご案内(厚生労働省・都道府県労働局): https://www.mhlw.go.jp/content/001716053.pdf
よくあるご質問
「うちの就業規則は、今のままで大丈夫?」
作成・改定は顧問の基本料金内(他社相場:作成単体で20〜30万円)。Zoom30分・無料で、御社の現状から「直すべき順番」を整理します。
ご相談で最も多いのは、社長が現場に出ている従業員5〜10人の建設会社さまです。
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