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現場へ向かう車で事故、職人のケガは労災?通勤災害と業務災害の分かれ目と第三者行為災害届

テーマ: 建設業の社会保険
30秒で結論

現場へ向かう途中の事故も労災の対象です。自宅から自分の車で現場へ直行する途中なら通勤災害、会社が用意した車で会社の段取りどおりに現場へ向かう途中なら、原則として業務災害です。元請の現場へ向かう職人の通勤災害も元請の工事の労災の対象で、休業の最初の3日を会社側が補償する義務は業務災害だけにあります。相手のいる事故では第三者行為災害届を出します。

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従業員7人の内装会社。12月の朝6時40分、社長の携帯が鳴ります。会社のハイエースで職人を拾いながら、元請のマンション改修の現場へ向かっていた職長のKからです。「凍った下り坂で滑って、ガードレールに当たりました。助手席のYが胸を押さえています」。その20分後、今度は自分の軽トラで同じ現場へ直行していたSから電話が入ります。「信号待ちで、後ろから追突されました。首が痛いです」。同じ朝、同じ現場へ向かう途中で起きた2件の事故です。社長の頭には、次々と問いが浮かびます。これは労災なのか。労災なら、自社の労災か元請の労災か。相手の自動車保険と労災は、どちらを使うのか。休みの最初の3日分は、会社が払うのか——。現場へ向かう途中の事故は、同じ道の上で起きても、誰の車で、誰の指示で動いていたかによって「業務災害」と「通勤災害」に分かれ、使う請求書も会社の負担も変わります。この記事では、その分かれ目を場合分けの表にし、どこの労災で請求するか、第三者行為災害届と自賠責保険の順番まで、事故の当日から順に、条文と労働局の資料で確かめます。

凍った下り坂の路肩に止まった会社のワンボックス車の横で、職長が社長に電話をかけ、助手席の若い職人が胸を押さえている

現場へ向かう途中の事故は、業務災害と通勤災害のどちらですか?

自宅から自分の車で現場へ直行する途中の事故は通勤災害、会社が用意した車で、会社の決めた段取りどおりに現場へ向かう途中の事故は、原則として業務災害です。どちらも労災の対象ですが、使う請求書も会社の負担も違うので、最初にどちらに当たるかを見立てます。

労災保険法7条2項は、通勤を「就業に関し」、住居と就業の場所の間などを「合理的な経路及び方法により」移動することと定め、そこから「業務の性質を有するもの」を除いています。昭和48年の労働省(現在の厚生労働省)の通達(基発第644号)は、その例として「事業主の提供する専用交通機関を利用してする通勤」と、休日に緊急の呼び出しを受けて予定外に出勤する場合を挙げ、こうした移動による災害は業務災害だとしています。会社が用意した車に、会社が決めた集合場所・時刻・運転役のとおりに乗って現場へ向かう移動は、この「専用交通機関」による移動に当たると考えられ、業務災害として扱われるのが原則です。

事故のときの移動区分根拠と考え方
自宅から自分の車で現場へ直行通勤災害住居と就業の場所の往復(労災保険法7条2項1号)
職人同士で決めて、仲間の車に相乗りして直行通勤災害(迎えの道が理由なく大きな遠回りだと、経路が問われる)合理的な経路と方法(通達)
自宅から、会社や資材置き場へ集まりに行く通勤災害就業の場所=業務を始める場所(通達)
会社の車で、会社が決めた段取りどおりに現場へ向かう(運転する人も、乗る人も)業務災害事業主の提供する専用交通機関(通達)
会社の指示で、資材や機材を現場へ届けに行く業務災害事業主の命で物品を届けに行くのは業務(通達)
午前の現場から午後の現場へ移る業務災害(仕事の途中の移動)7条2項2号の移動は、別々の会社の勤め先の間の移動(東京労働局)
休日に、現場の突発的な事故で予定外に呼び出されて向かう業務災害休日の緊急出勤(通達)
帰りに私用で寄り道をした寄り道の間とその後は通勤ではない(日用品の買い物など最小限のものは、元の道に戻った後は通勤)逸脱・中断(7条3項・同法施行規則8条)

冒頭の場面に当てはめると、会社のハイエースで職人を拾って現場へ向かっていたKと、助手席のYのケガは業務災害、自分の軽トラで直行していたSのケガは通勤災害です。

迷いやすいのは、社用車を家に持ち帰って一人で直行する場合や、会社に頼まれて自分の車で同僚を拾う場合です。車を誰が用意し、誰の指示で、何を積んで動いていたかという実態で判断が分かれるので、請求書を出す前に労基署に事情を話して確かめてください。自分の道具を積んで直行するだけなら、会社の命令で物を届ける移動とは違うので、通勤として考えるのが基本です。

なお、移動の時間が労働時間(給料を払う時間)になるかは労働基準法の話で、労災の区分とは根拠の法律が別です。答えが一致するとは限らないので、給料の側の線引きは現場への移動時間は労働時間?で確かめてください。区分の物差しが頭に入っていれば、朝の電話を受けたその場で「Kたちは業務、Sは通勤」と見立てられ、病院で出す書類も、元請への報告の言葉も迷わずに済みます。

下請の職人の通勤災害は、どこの労災で請求しますか?

元請の現場へ向かう途中の通勤災害は、現場でのケガと同じく、元請の工事の労災(いわゆる現場労災)で請求します。群馬労働局の資料は、元請が加入する現場労災の給付の範囲を「建設工事現場作業に従事する労働者に生じた業務上災害(疾病)又は通勤災害」としています。数次の請負で行う建設工事は、労働保険の上では工事全体を一つの事業とみなし、元請だけを事業主として扱うからです(労働保険徴収法8条1項)。

事故のときの移動請求に使う労災出典
その日の元請の現場への行き帰り(直行でも、会社に寄ってからでも)元請の工事の労災(現場労災)群馬労働局・福井労働局
会社の車で元請の現場へ向かう移動(業務災害)元請の工事の労災(現場労災)群馬労働局・徴収法8条
特定の工事と関係のない、事務所や資材置き場での作業への行き帰り、見積のための現場確認への移動自社の「事務所等の労災」群馬労働局
その日の現場が決まらないまま、自社の事務所へ向かう途中自社の保険関係(事務所等の労災)。自社にこの保険関係が無ければ、最寄りの労基署に問い合わせ福井労働局

最後の行は、福井労働局の資料が「被災労働者の就労現場が不明な場合で、下請負人独自の保険関係が成立しているときは、下請負人に係る保険関係による」という取扱いを示しているものです。元請の現場に入っている日の事故なら、まず元請の担当者に連絡し、工事の労働保険番号と工事名、請求書の証明をどう進めるかを確かめます。

社長自身は労働者ではないので、特別加入(社長や一人親方が任意で入る労災保険の仕組み)をしていなければ労災の補償を受けられません(大阪労働局)。社長と一人親方の扱いは職人が元請の現場でケガをしたらで整理しています。入っている現場ごとに元請の労働保険番号と工事名を控えておけば、事故の日は電話1本で請求の段取りがつき、ケガをした職人を待たせずに済みます。

業務災害と通勤災害で、会社の負担や手続きはどう違いますか?

いちばん大きな違いは休業の最初の3日分で、業務災害なら会社側に平均賃金の60%を補償する義務があり、通勤災害にはその義務がありません。厚生労働省のパンフレットも、待期期間(休業の初日から3日目まで)に事業主が休業補償を行うのは業務災害の場合で、通勤災害には「事業主の補償責任についての法令上の規定はありません」としています。

項目業務災害通勤災害
治療の請求書(労災指定の病院)様式第5号様式第16号の3
治療の請求書(ほかの病院で立て替えた)様式第7号(1)様式第16号の5(1)
休業の請求書様式第8号様式第16号の6
休業1〜3日目会社側が平均賃金の60%を補償(労働基準法76条)法律上の補償義務なし
休業4日目から給付基礎日額(原則として平均賃金に当たる1日分の額)の60%+休業特別支給金20%同じく60%+20%
一部負担金なし初回の休業給付から200円を差し引く(日雇特例被保険者は100円)
労働者死傷病報告休業したら必要会社の敷地の外で起きたものは不要
休業中とその後30日の解雇制限(労働基準法19条)ありなし
年休の出勤率の計算休業期間を出勤とみなす(同法39条10項)法律で出勤とみなす定めはない
健康保険使えない使えない

業務災害の最初の3日は、元請の工事のための移動なら、現場でのケガと同じく、原則として元請が補償の義務を負います。建設の工事が数次の請負で行われる場合、災害補償については元請を使用者とみなすからです(労働基準法87条1項)。元請が書面の契約で下請に補償を引き受けさせていれば、下請も使用者になります(同条2項)。見積の下見など、自社の仕事で動いていた途中の事故なら、補償するのは自社です。

通勤災害で療養給付を受ける人は、初回の休業給付から一部負担金として200円が差し引かれます(労災保険法31条2項・同法施行規則44条の2)。ただし、冒頭のSのように追突された場合など、第三者の行為による事故で療養給付を受ける人は対象外です(※2026年9月時点)。

労働者死傷病報告は「就業中」または事業場内のケガで休業した場合が対象で(労働安全衛生規則97条)、熊本労働基準監督署の案内も「事業場敷地外での通勤災害」は提出不要としています。会社の車で現場へ向かう途中の業務災害は、報告が要ります。健康保険はどちらの事故でも使えません(厚生労働省のリーフレット)。平均賃金の計算例や死傷病報告の出し方、健康保険で受診してしまった時の直し方は、職人が元請の現場でケガをしたらにまとめています。この違いを知っていれば、事故の日のうちに職人へ「最初の3日はこうなる」と説明でき、給料日の行き違いを防げます。

相手のいる事故では、第三者行為災害届をどう出しますか?

相手のいる交通事故で労災を使うときは、労災の請求書より先か同時に、「第三者行為災害届」を労基署へ出します。労災保険法施行規則22条は、ケガをした本人に、事故の事実と相手の氏名・住所、被害の状況を遅滞なく届け出る義務を定めています。労災の給付と相手からの賠償で同じ損害を二重に受け取らないよう、国が調整するための届です(労災保険法12条の4)。厚生労働省の「第三者行為災害のしおり」は、正当な理由なく届を出さないと、労災の給付が一時差し止められることがあるとしています。

届に付ける書類は、次のとおりです(大阪労働局の一覧表から)。

付ける書類必要なとき
交通事故証明書(自動車安全運転センターの証明)。警察に届けていないなどで取れないときは交通事故発生届交通事故のとき
念書(兼同意書)。労災を受ける本人が署名するいつも
示談書の謄本(写しでも可)示談をしたとき
自賠責保険等の損害賠償金等支払証明書、または保険金支払通知書(写しでも可)仮渡金(賠償の額が決まる前に、自賠責保険から先に受け取れる一定額のお金)や賠償金を受けたとき
死体検案書または死亡診断書、戸籍謄本(写しでも可)亡くなったとき

建設業ならではの注意も、届の記載例に書かれています。下請の会社に所属する職人の場合は、元請の事業場名を別紙で添付し、事故のときに所属していた事業場の名称と所在地も書きます。届の留意事項によると、通勤災害なら事業主の証明は要りません。

交通事故のときに出す「届その2」には、天候、路面の状態(凍結・坂の上り下りなど)、ブレーキをかけたか(スリップの距離)、相手の車の自賠責保険と任意保険の証明書番号・契約者・保険会社まで書く欄があります。事故の現場で相手の連絡先(仕事中なら勤め先)と車のナンバー・保険、事故を届けた警察署を控え、路面と車の写真を撮っておくと、後で書くときに困りません。

冒頭のKのハイエースのように相手のいない単独事故は、しおりが挙げる「第三者行為災害となる主な場合」(交通事故のうち、自損事故を除いたもの)には当たりません。ただし、同じ会社の人が運転する車でケガをした同乗者(冒頭のY)について届が要るかどうかは、事故の形や賠償の関係で変わります。請求書を出す前に、労基署に確かめてください。

届は本人が出すものですが、本人がケガで手続きをするのが難しいときは、会社は手続きができるよう助けなければなりません(労災保険法施行規則23条1項)。請求書や届の作成と提出は社労士が代わって行うこともできます(社会保険労務士法2条)が、念書だけは本人の署名が要ります。控える項目を1枚の紙にして車に積んでおけば、事故の直後に動転していても、書類に要る情報が現場でそろいます。

自賠責保険と労災は、どちらを先に使いますか?

どちらを先に使うかは、ケガをした職人本人が自由に選べます(第三者行為災害のしおり)。ただし同じ損害を両方から受け取ることはできず、先に受けた側の分は、もう一方で調整されます(労災保険法12条の4)。

先に使うほうどうなるか
自賠責保険(自賠先行)自賠責から受けた分のうち、同じ理由の分は労災から差し引かれる(控除)。自賠責の支払いが済むまで、同じ理由の労災の給付が待たされることがある
労災(労災先行)同じ理由の分は、自賠責から受け取れない。国が労災で払った分を、相手側に請求する(求償)
どちらでも休業特別支給金(給付基礎日額の20%)などの特別支給金は調整されず、満額出る

しおりによると、自賠責保険には仮渡金の制度があり、労災では出ない慰謝料が支払われ、療養費の対象も労災より幅広く、休業損害は原則として10割が支払われます(労災は8割)。一方で、傷害の支払いには120万円の上限があります(死亡は3,000万円、後遺障害は等級に応じて最高3,000万円・介護が要る場合は最高4,000万円。※2026年9月時点)。どちらが本人のためになるかは、ケガの程度や治療の見込みで変わるので、本人の考えを聞いたうえで、迷うときは労基署に相談して決めます。

自賠責を先に使う場合も、特別支給金は満額出るので、労災の休業の請求は忘れずに出します。Sのような通勤災害なら、様式第16号の6が「休業特別支給金支給申請書」を兼ねています。

相手の保険会社から示談の話が来たら、署名する前に労基署へ連絡します。しおりは、示談の前に必ず労働局か労基署へ連絡し、示談をしたら示談書の写しを出すよう求めています。すべての損害についての示談(全部示談)が真正に成立し、ほかの賠償の請求権を手放すと、原則としてそれ以後の労災の給付は行われません。示談金の額や過失割合の交渉は弁護士の領域で、社労士がお手伝いできるのは労災の請求と届の側です。「示談の前に労基署」の一言を職人に伝えておけば、相手の保険会社から電話が来ても、職人が一人で判断を迫られずに済みます。

事故の当日から、会社は何をどの順で進めますか?

事故の当日は、救護と警察への届出、業務か通勤かの見立て、元請への報告の3つを済ませ、翌日以降に請求書と第三者行為災害届を出します。

いつ誰が何をするか
事故の直後運転していた人ケガ人を救護し、道路の危険を防ぎ、警察へ事故を報告する(道路交通法72条)
事故の直後職長・同乗者相手の連絡先と保険を控え、路面と車の写真を撮って、社長へ電話する
当日中社長家を出た時刻、始業の予定、通った道、誰の車か、会社の指示があったかを聞き取り、業務か通勤かを見立てる。元請の現場責任者へ報告する
受診のとき本人・付き添い仕事中(通勤中)のケガだと伝え、健康保険は使わない
翌日から自社(元請に番号と証明の段取りを確かめる)業務災害は様式第5号、通勤災害は第16号の3を病院へ出す
請求書より先か同時本人(会社が手伝う)相手がいれば、第三者行為災害届と添付書類を労基署へ出す
休業1〜3日目業務災害なら会社側(原則は元請)平均賃金の60%の休業補償を払う(通勤災害は法律上の義務なし)
休業したとき自社業務災害なら労働者死傷病報告を出す(敷地の外の通勤災害は不要)
休業が続く間の月ごと本人(書類は会社が手伝う)休業の請求書(第8号・第16号の6)を労基署へ出す
示談の話が出たとき本人署名する前に労基署へ連絡する

当日の聞き取りが大事なのは、通勤災害の請求書(様式第16号の3)に、事故の時刻と場所、始業の予定と家を出た時刻、ふだんの通勤の経路と方法、事故の場所までの経路と所要時間などを書くからです(労災保険法施行規則18条の5第1項)。このうち始業の予定などには事業主の証明が要り、事故の時刻と場所、ふだんの通勤の経路と方法は、会社が知り得た場合に限って証明します。家を出た時刻と、事故の場所までの経路・所要時間は、証明の対象ではありません(同条2項)。この表を車の中の控えと一緒に置いておけば、朝の電話を受けた社長は、次の一手を迷わずに指示できます。

冬が来る前に、会社は何を決めておけばいいですか?

決めておくのは、現場への移動のルール(誰の車で、誰が運転し、どこに集まるか)と、事故の日の連絡と書類の段取りの2つです。雪や凍結のある地域ほど、最初に道が凍る朝より前に済ませておきたいところです。

  • 職人ごとに、ふだんの通勤の経路と方法(自分の車・相乗り・会社の車)を届け出てもらい、変わったら出し直してもらう
  • 会社の車で送り迎えをするなら、集合場所・時刻・運転役を決めて書き残す(運転する人の移動時間の扱いも合わせて決める)
  • 社用車の持ち帰りと、事故のときの連絡の順番(救護・警察・会社・保険会社)を社用車規程に入れる
  • 直行直帰を指示する日と、その記録のしかたを決める
  • 入っている現場ごとに、元請の労働保険番号・工事名・担当者の連絡先を控える
  • 事故のときに控える項目の紙を、会社の車に1枚ずつ積む
  • 通勤災害で休んだ最初の3日を会社としてどう扱うかを決め、職人に伝えておく

社用車規程とアルコールチェックの整え方は建設業のアルコールチェック義務、直行直帰の決め方は直行直帰の就業規則・規定例で解説しています。どちらも就業規則とそろえて整えるのが近道で、規則の作り方は建設業の就業規則作成のページで紹介しています。当事務所では、就業規則の作成・改定を顧問の基本料金内で行っています。労働保険と社会保険の手続きの整え方は、建設業の社会保険のページをご覧ください。職人がケガをした時の労災の請求も、当事務所では手続き業務の中で対応しています。事故のあとに「どの書類を、どの順で、どこへ出すか」や、自社の移動のルールに抜けがないかは、Zoom30分の無料相談で一緒に整理できます。

最新の制度や金額は、必ず公式サイトでご確認ください。

参考(一次情報)

よくあるご質問

職人同士が自分たちで決めて相乗りしているなら、通勤災害として扱うのが基本です。ただし、迎えに回る道が理由なく大きな遠回りだと、通勤の「合理的な経路」かどうかが問われます。会社に頼まれて同僚を拾っていた場合は判断が分かれやすいので、請求の前に労基署に確かめてください。
業務災害として扱われます。突発的な事故などによる緊急の用務で、休日に呼び出しを受けて予定外に出勤する移動は、昭和48年の労働省(現在の厚生労働省)の通達で「業務の性質を有するもの」の例に挙げられています。休業の最初の3日の補償や労働者死傷病報告も、業務災害として進めます。
帰りに惣菜などの日用品を買うために最小限の寄り道をした場合は、寄り道の間を除き、元の経路に戻ってからの事故は通勤災害になります。経路沿いの店でジュースを買う程度のささいな行為なら、そもそも寄り道に当たりません。飲みに寄るなど私用で経路をそれた場合は、その間とその後の移動は通勤になりません。
泥酔しての運転や、免許を一度も取ったことのない人の運転は、通勤の「合理的な方法」と認められず、通勤災害になりません。泥酔に至らない飲酒運転や、免許証の不携帯・更新忘れは、それだけで通勤から外れるとは限りませんが、事情によって給付が制限されることがあります(昭和48年の通達)。
労災の請求はできます。第三者行為災害届には、相手が当て逃げなどで分からない場合はその旨を書きます(労災保険法施行規則22条も、相手の氏名と住所が分からないときは「その旨」を届け出るとしています)。すぐに警察へ届け出て、事故の日時と場所を記録に残してください。
社会保険労務士 中峯崇文

この記事の執筆・監修:中峯 崇文(社会保険労務士)

中峯社労士事務所 代表|社会保険労務士 登録番号 第27110112号

建設業に特化した社会保険労務士として、残業対応や一人親方の移行など、現場の労務を毎月扱っています。外国人雇用では自ら監理団体を立ち上げて運営し、採用と定着の設計まで踏み込みます。

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