技能実習はいつまで?育成就労の経過措置|2027年3月31日・6月30日と3号の条件
育成就労は2027年4月1日に始まります。その後も技能実習を行えるのは、施行日に実習中の人、2027年3月31日までに計画を申請し6月30日までに実習を始める人、次の段階へ進む人だけです。3号へ進めるのは施行日時点で2号を1年以上行っている人(遅くとも2026年4月1日に2号開始)に限られます(※2026年9月時点)。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます従業員8人の型枠工事会社。9月の終わり、巡回に来た監理団体の担当者が、帰りぎわに「育成就労の準備は、うちも進めていますので」と言って車に乗り込みました。事務所の棚には、実習生3人の書類ファイル。社長はふと、3人のうち誰が3号まで残れて、誰が2号の終わりで現場を離れるのか、自分では答えられないことに気づきます。ふだんは監理団体に任せきりで、日付までは追っていなかったからです。
技能実習は、2027年4月1日に育成就労へ切り替わります。ただ、今いる実習生が一斉に切り替わるわけではありません。最後まで技能実習のまま働く人、3号へ進める人、2号で終わる人。その分かれ目は、在籍表に書いてある日付です。この記事では、技能実習の経過措置の期限を年表にし、自社の在籍表に当てはめて確かめる方法、監理団体に確認すること、2027年4月から育成就労で人を入れる会社の申請の時期までを整理します。

技能実習は、いつまで続けられるのですか?
育成就労制度が始まる2027年4月1日のあとも技能実習を行えるのは、①その日に実習中の人、②2027年3月31日までに計画の認定を申請し、6月30日までに実習を始める人、③施行日のあとに次の段階(1号から2号、2号から3号)へ進む人、の3つだけです(出入国在留管理庁〈入管庁〉の経過措置Q&A)。施行日以降は、技能実習計画を新しく申請することはできません。1号は1年以内、2号と3号は2年以内という区切りで進むため、実習生は少しずつ減っていきます。入管庁の資料の図では、施行から3年(2030年3月31日)が目途とされ、その後は育成就労だけになります。
期限を年表にすると、次のとおりです(※2026年9月時点)。
| 日付 | 何の期限か | 会社が確かめること |
|---|---|---|
| 2026年4月1日(過ぎた期限) | 3号へ進むには、この日までに2号を始めている必要がある | 実習生ごとの2号の開始日 |
| 2026年4月15日 | 監理支援機関の許可の施行日前申請(2027年4月1日の施行より前に受け付ける申請)が始まった | 監理団体が申請したか |
| 2026年9月1日 | 育成就労計画の施行日前申請が始まった(2027年3月31日まで) | 2027年度に人を入れる予定 |
| 2026年9月30日 | 2027年4月1日から監理支援を始めたい団体の申請の目安 | 監理団体の申請状況 |
| 2027年2月 | 1号の技能実習計画はこの月までに申請を(外国人技能実習機構のお願い) | 新しく実習生を入れる予定 |
| 2027年3月31日 | 技能実習計画の認定申請ができる最後の日 | 同上 |
| 2027年4月1日 | 育成就労制度の施行日。この日の0時に実習中かどうかで扱いが決まる | 在籍表の全員の区分 |
| 2027年6月30日 | 新しく技能実習を始められる最後の日(入国もこの日まで) | 来日予定の実習生 |
| 2030年3月31日(目途) | 技能実習が終わり、育成就労だけになる目途 | 最後の実習生が修了する日 |
この年表を1枚、事務所の壁に貼っておくだけで、監理団体からの連絡を待つ側から、社長の側で「この日までに決める」と段取りを組む側に変わります。新しく技能実習生を入れるかどうかは、2027年2月が実質の締め切りです。外国人技能実習機構(機構)は、1号の計画を3月以降に申請すると、審査と入国の手続きが6月30日までに間に合わないおそれがあると案内しています。
今いる実習生は、2027年4月からどうなりますか?
2027年4月1日に実習中の人は、技能実習のまま、認定を受けた計画の終わりまで働けます。ただし3号へ進めるのは、その日の時点で2号を1年以上行っている人だけです。日本にいたまま育成就労へ切り替えることもできません(入管庁・機構)。
在籍表の区分ごとに当てはめると、こうなります。
| 2027年4月1日時点の状態 | 4月以降にできること | 在籍表で見る日付 |
|---|---|---|
| 3号で実習中 | 3号の計画の終わりまで続けられる | 計画が終わる日 |
| 2号で、2号の開始が2026年4月1日以前 | 2号を終えたあと、3号へ進める可能性がある(次の見出しの手順で確かめる) | 2号へ切り替わった許可年月日 |
| 2号で、2号の開始が2026年4月2日以降 | 2号の終わりで技能実習は終了。3号へは進めない | 同上 |
| 1号で実習中 | 2号へは進める。3号へは進めない | 1号の計画が終わる日 |
| まだ来日していない | 3月31日までに計画を申請し、6月30日までに始められれば技能実習で受け入れられる。間に合わなければ育成就労で | 計画の申請日と開始予定日 |
| 施行日前から中断していて、4月1日も中断中 | 実習を再開できない | 困難時届出書を出した日と、再開の見込み |
| 実習先を移る手続き中で、4月1日に「特定活動」で在留している | 施行日以降は技能実習に戻れない | 移る先で実習を始める予定日 |
手元で2号の日付がすぐに見つからなければ、入国日で当たりをつける方法もあります。機構は、2025年4月2日以降に入国した実習生は3号へ移れない可能性がある、と案内しています。
表の下の2行は見落としやすいところです。技能実習実施困難時届出書を出して実習を中断している人は、施行日前から中断していて、2027年4月1日の時点でも中断が続いていると、実習を再開できません。4月1日に実習を続けていれば、施行後も中断と再開はこれまでどおりできます。実習先を移る手続き中で「特定活動」のまま4月1日を迎えた人も、施行日以降は技能実習に戻れません(入管庁の経過措置Q&A)。中断と再開の届出を含め、技能実習のまま続く人の技能実習法の届出は、これまでどおり必要です。
帰国の段取りにも期限がかかります。施行日のあとに帰国などで「技能実習」の在留が切れると、技能実習生として入国し直すことはできません。新しく入国して技能実習を始める場合は、1号だけでなく2号・3号でも2027年6月30日までに入国する必要があります(同Q&A)。3号の前にいったん帰国する段取りの人がいれば、帰国と戻りの時期を早めに監理団体と確かめておきましょう。
3号へ進めるかどうか、在籍表でどう確かめればいいですか?
2号へ切り替わったときの許可年月日(在留カードに書かれています)から2027年4月1日までが1年以上あるかどうかが分かれ目です。遅くとも2026年4月1日に2号を始めている必要があります(入管庁の経過措置Q&A・機構のお知らせ)。確かめ方は4つの手順です。
- 在籍表に日付の列を4つ足す:入国日、2号へ切り替わった許可年月日、今の計画が終わる日、中断していた期間。
- 許可年月日を2026年4月1日と比べる:この日以前なら、3号へ進める可能性があります。この日より後なら、2号の終わりで技能実習は終わります。
- 数えない期間を引く:転籍の手続き中に「特定活動」で在留していた期間と、困難時届出書を出して中断していた期間は、2号の1年に数えません(困難になってから1か月以内に理由書を出して再開した場合は、中断の期間から外れます)。許可年月日が2026年4月1日に近い人は、ここで結果が変わることがあります。
- 3号のもともとの条件を確かめる:3号の計画は、2号の計画で目標にした試験(技能検定3級など)に本人が合格していること、会社がいわゆる「優良」の基準(実習生に技能を身につけさせる力が高い水準にあること)を満たしていること、監理団体が一般監理事業の許可(優良と認められた監理団体の許可で、3号の実習監理もできる)を受けていることがそろわないと認定されません(技能実習法8条4項・9条4号・9条10号)。期限に間に合っていても、ここを満たさなければ3号へは進めません。
4つの列が埋まると、いつ、誰が現場を離れるのかが、今の時点で見えます。離れる時期が分かれば、その前に特定技能で残ってもらう話を始めるのか、日本人の若手を採るのかを、欠員が出てからではなく先に決められます。誰かが急に辞めた日にも「次に計画が終わるのはあの人」とすぐ分かり、現場の欠員で工程が止まる事態を防げます。来期に誰をどの現場へ回すかも、勘ではなく紙の上で決められるようになります。
3号へ進めない実習生に、残ってもらう道はありますか?
あります。2号を良好に修了し、これからの仕事が2号の職種・作業とつながっていれば、育成就労が始まった後も当分の間は特定技能1号へ移れます(入管庁の育成就労制度Q&A)。
ただし建設分野の特定技能1号は、技能実習とは別の条件で受け入れます。国の運用方針が受け入れる会社に求めている主なものは次のとおりです。
- 建設業許可を受けていること
- 同じ技能の日本人と同等以上の報酬を安定的に払い、技能の習熟に応じて昇給する契約を結ぶこと
- 会社と本人を建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録すること
- JAC(建設技能人材機構)、またはJACを構成する建設業者団体に所属し、建設特定技能受入計画の認定を受けること
- 1号特定技能の人数が、常勤職員(技能実習生・育成就労外国人・1号特定技能外国人を除く)の総数を超えないこと(優良な育成就労実施者に当たる会社は別)
日給月給の払い方のままでよいかは特定技能の職人は日給月給にできない?、人数の数え方は外国人労働者の受入人数に上限はある?で解説しています。2号が終わる日から逆算して早めに本人と話を始めておけば、賃金の決め直しや受入計画の準備が間に合い、本人も家族と相談したうえで残るかどうかを決められます。
監理団体には、何をいつまでに確認すればいいですか?
まず「監理支援機関の許可を申請しましたか」と聞いてください。入管庁と機構は、2027年4月1日から監理支援を始めたい団体に2026年9月30日までの申請をお願いしていて、許可証の郵送は2027年4月以降の予定です(8月31日までに申請した団体の一部には、3月に届くこともあります)。
今の監理団体が育成就労で監理支援をするには、新しく監理支援機関の許可が要ります。許可の基準は監理団体より厳しくなり、外部監査人を置くこと、債務超過がないこと、常勤の役職員が2人以上いることなどが加わりました(入管庁の育成就労制度Q&A)。監理支援機関の許可を受けた団体は、技能実習の監理団体としても活動できます。確認することは4つです。
- 監理支援機関の許可を申請したか:申請していれば機構の受理票があります。育成就労計画を申請するときはその写しを付けるため、申請していない団体が監理支援する予定の計画は受理されません。
- 2027年4月以降も、今の実習生の監理を最後まで続けられるか:施行後も技能実習の監理を続ける団体は、監理団体の許可の有効期間を更新できます。監理支援機関の許可を受けていれば、更新しなくても一般監理事業の許可を受けたものとみなされます。
- 3号へ進む予定の実習生がいるなら、一般監理事業の許可を持っているか:持っていない団体の指導では、3号の計画は作れません。
- 新しく1号の実習生を入れる予定があるなら、2027年2月までに計画を出す段取りか:3月以降の申請では、6月30日までに入国できないおそれがあります。
技能実習計画を作って認定を受けるのは、監理団体ではなく、実習をさせる会社自身です(技能実習法8条1項)。監理団体は計画づくりを指導する立場なので、期限を過ぎたときに困るのは会社の側です。「うちは監理団体がやってくれるから」と丸投げのままだと、いざ動くときに社内に情報がなく、後手に回ります。申請していない、または許可の見通しが立たないと言われたら、2027年4月以降に育成就労で人を入れる計画は、監理支援を頼む先から考え直すことになります。監理団体との付き合い方でつまずきやすい点は監理団体の役員が見た、建設業の外国人雇用でつまずきやすいポイントにまとめています。
2027年4月から育成就労で人を入れるなら、いつ申請すればいいですか?
育成就労計画の施行日前申請は、育成就労を始める予定日の7か月前から5か月前までに出します。2027年4月1日に始めるなら、2026年9月1日から11月1日までの間です(機構のよくある質問の例にならって数えた場合)。受付は2027年3月31日まで続き、審査の結果は2027年4月1日以降に順に郵送されます。監理型の場合は、前の見出しのとおり監理支援機関の許可の施行日前申請が前提で、許可が出なければ計画も認定されません。
技能実習生がいる会社も、育成就労で新しく人を受け入れられます。ただし、施行後も残る1号・2号の実習生は、育成就労の受入れ人数枠を数えるときに育成就労外国人として数えます(3号は数えません)。実習生や育成就労外国人は、枠のもとになる常勤職員の数にも入りません。たとえば2027年4月以降も2号の実習生が2人残る会社では、その2人が育成就労の枠を先に使っている、と考えて計画を立てます。
建設分野の育成就労には、国の運用方針(2026年1月23日閣議決定)で上乗せの条件があります。主なものは、建設業許可を受けていること、同じ業務の日本人と同等以上の報酬を安定的に払い就労期間に応じて昇給すること、会社と本人のCCUS登録、協議会への加入、直接雇用に限ること、受け入れる人数の上限です。人数の上限は国土交通省の告示で決まっていて、監理型では常勤職員(育成就労・1号特定技能・技能実習の外国人を除く)が1〜9人ならその人数まで、10〜30人なら9人までです(優良な育成就労実施者は別)。転籍制限期間は2年とされ、1年を超える転籍制限期間を設ける会社は、1年目から2年目にかけて、協議会が公表する昇給率以上に所定内賃金を上げます。賃金規程や昇給表への書き方は育成就労の建設分野ルールとは?で解説しています。建設分野の細かい運用要領は国土交通省のページで「準備中」、協議会の加入方法も「追って掲載」とされています(※2026年9月時点。JACやJACを構成する建設業者団体に所属している会社は、協議会に加入しているものとみなされます)。
何から手を付ければいいですか?
今週やることは、在籍表に4つの日付を足すことです。そのうえで、次の順に進めると、2027年4月1日を慌てずに迎えられます。
- 在籍表を作り直す(今週):実習生ごとに、入国日・2号の許可年月日・計画が終わる日・中断の有無を書き、上の表で「3号へ進める見込み」「2号で終わる」「再開できない」に分ける。
- 監理団体に4つ聞く(今週中、在籍表と同時に):監理支援機関の許可の申請、今の実習生の監理の継続、一般監理事業の許可、新しい1号の計画の段取り。
- 社内の労務を先に整える(年内):3号へ進めない人に特定技能で残ってもらう場合も、育成就労で新しく受け入れる場合も、土台は同じです。
- 就業規則を、外国人の受入れに対応した内容にする(外国人向け就業規則・雇用契約書の作り方)
- 賃金を、同じ仕事をする日本人と同等以上だと説明できる形にし、1年目から2年目の昇給を昇給表にしておく(「同等報酬要件」をどう満たすか)
- 労働時間を正確に記録する仕組みを作る
制度が動くのを待つのではなく、待つ間にできることを進める。これが直前の混乱を防ぐいちばん確実なやり方です。在籍表と賃金の土台がそろえば、監理団体から連絡が来るたびに書類の山を開き直すことはなくなり、「次に誰の計画が終わるか」「来年の春に誰を入れるか」を、社長が自分のペースで決められるようになります。
当事務所では、育成就労への切り替えに向けて、在籍表の見直しから賃金規程・昇給表・就業規則・労働時間の記録の整備までを、顧問の中でお手伝いしています。就業規則の作成・改定は顧問の基本料金内で(建設業の就業規則作成)、外国人受入れ診断は無料です(料金ページ)。当事務所の代表は監理団体を自ら立ち上げて運営してきた経験があり、受け入れる会社の側と、受け入れを管理する側の両方から現場を見てきました。技能実習計画や育成就労計画の認定を申請するのは受け入れる会社自身で、計画づくりは監理団体などの指導を受けて進めます。在留の手続きや建設業許可の取得は行政書士の専門領域で、必要な場合は建設業に詳しい行政書士をご紹介します。当事務所が受け持つのは、雇った後の労務です。サービスの内容は建設業の外国人雇用サポートをご覧ください。「うちの実習生は、誰がいつまで働けて、何をいつまでに準備すればいいのか」を、Zoom30分の無料相談で一緒に整理できます。最新の制度は、必ず公式サイトでご確認ください。
参考(一次情報)
- 育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について(出入国在留管理庁): https://www.moj.go.jp/isa/content/001452771.pdf
- 技能実習経過措置Q&A(出入国在留管理庁): https://www.moj.go.jp/isa/content/001461274.pdf
- 育成就労制度Q&A(出入国在留管理庁): https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
- 育成就労制度の施行に伴い、令和9年4月以降、技能実習3号に移行できない場合があります(外国人技能実習機構): https://www.otit.go.jp/news/cat2/260116.html
- 育成就労計画認定施行日前申請(外国人技能実習機構): https://www.otit.go.jp/employment_for_skill_development/cat/
- 建設分野における特定技能・育成就労の運用に関する方針(出入国在留管理庁): https://www.moj.go.jp/isa/content/001454692.pdf
- 建設分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準等(国土交通省告示第784号): https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/002011220.pdf
よくあるご質問
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