建設業専門の社会保険労務士|松原市・堺市・東大阪ほか南大阪 平日 10:00〜17:00/TEL 072-334-4102

育成就労制度とは?2027年4月施行までに建設業がやるべき準備

テーマ: 建設業の外国人雇用サポート
30秒で結論

育成就労制度は技能実習に代わる新制度で、2027年4月1日に施行されます。目的が「人材の育成・確保」に変わり、一定条件で本人の意向による転籍が可能になります。選ばれる会社になるため、賃金や労働条件の透明化と労務管理体制の整備を今から進めることが重要です(※2026年7月時点)。

→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます

従業員7人の型枠工事会社。技能実習生2人は、いまや現場の主力です。ところが元請けの担当者から「2027年から制度が変わって、本人の希望で他所へ移れるようになるらしい」と聞かされ、社長の手が止まります。3年かけて仕込んだ職人が、ある日「別の会社に行きます」と言う——その可能性が、制度として正面から認められる。それが、技能実習制度に代わり2027年4月1日に施行される予定の「育成就労制度」です(※2026年7月時点)。目的が「人材の育成・確保」に変わり、一定の条件のもとで本人の意向による転籍が認められます。つまり5〜10人規模の会社であっても、これからは「選ばれる会社」でなければ人材が定着しません。施行までに賃金や労働条件の整備を進めておくことが、建設業にとって欠かせない準備になります。

技能実習から育成就労への制度移行を表したイメージ図

育成就労制度とは何ですか?

育成就労制度は、これまでの技能実習制度を発展的に解消し、新たに設けられる在留の仕組みです。2024年6月に成立した改正法にもとづき、2027年4月1日の施行が予定されています(※2026年7月時点)。

これまでの技能実習制度は、建前として「国際貢献(日本の技能を海外に移転する)」を目的にしていました。しかし実態としては、人手不足の現場を支える貴重な戦力になっていた面があります。

育成就労制度は、この現実に合わせて**「人材を育成し、確保する」ことを正面から目的に掲げた制度**です。人手不足の分野で外国人材を受け入れ、原則3年かけて育てていく、という考え方が土台になっています。

技能実習制度と何が違うのですか?

大きな違いは、次の3点です。

  • 目的が変わる:国際貢献(技能移転)から「人材育成・人材確保」へ
  • 転籍が認められる:一定の条件のもとで、本人の意向による転籍(別の会社へ移ること)が可能になる
  • 特定技能につながる:3年間の育成を経て、特定技能へ移行する道筋が想定されている

特に建設業に大きく関わるのが、転籍が認められるという点です。これまでの技能実習は、原則として受け入れ先を変えることが難しい仕組みでした。育成就労では、労働者の権利保護の観点から、一定条件で本人が職場を選び直せるようになります。

転籍できる時代に、建設業は何が変わりますか?

転籍が可能になるということは、裏を返せば**「待遇や環境が良くない会社からは人が離れていく」**ということです。

これまでのように「一度受け入れれば数年間は動かない」という前提は崩れます。賃金が相場より低い、残業の管理が曖昧、生活のサポートが手薄——こうした会社は、育成した人材を他社に移られてしまうリスクを抱えることになります。

小さな会社ほど、この影響は直撃します。7人の会社から1人抜ければ、現場が1つ止まるからです。「外国人を雇いたいが、何から手をつければいいか分からない」という相談は当事務所でも多いのですが、実際に効くのは入口の手続きより、この「抜けさせない側」の設計です。

だからこそ、これからは**「選ばれる会社」になること**が競争力に直結します。ここは、まさに労務管理の領域です。建設業の外国人雇用サポートでも、受け入れ後に人材が定着する体制づくりを重視しています。

施行までに今からやるべき準備は?

2027年4月の施行に向けて、建設業の会社が今から進めておきたい準備は、大きく3つあります。

  1. 賃金・労働条件の透明化 日本人従業員と同等以上の待遇であることを、きちんと説明できる状態にしておく。手当や残業代の計算があいまいなままだと、後で問題になります。

  2. 労務管理体制の整備 労働時間・休日・残業の記録を正確に付け、就業規則を実態に合わせて整える。現場ごとにルールがバラバラだと、トラブルの温床になります。

  3. キャリアパスの提示 「この会社で働き続けると、どんなスキルが身につき、待遇がどう上がるのか」を見える形にする。育成就労から特定技能への移行を見据えた道筋があると、人材が定着しやすくなります。

これらはどれも、外国人材のためだけでなく、日本人従業員も含めた職場全体の働きやすさにつながる取り組みです。

特定技能との関係はどう見ればいいですか?

育成就労は、その先にある特定技能への移行を前提に設計されています

大まかな見取り図は次のとおりです。

  • 育成就労(原則3年):現場で働きながら、特定技能1号の水準まで技能を育てる
  • 特定技能1号へ移行:一定の技能・日本語のレベルを満たせば、引き続き働ける
  • そのまま長く戦力として活躍してもらう

つまり、育成就労は「入口」であり、そこで丁寧に育てて待遇を整えた会社ほど、その後も長く働いてもらえる、という流れです。目先の受け入れだけでなく、数年先を見据えた労務設計が問われます。

「選ばれる会社」になるために、まず何から始めればいいですか?

育成就労制度への移行は、単なる名称の変更ではありません。転籍が可能になることで、「選ばれる会社かどうか」が問われる時代になります。

では、選ばれる会社になるために、まず何から始めればよいのでしょうか。おすすめは、いちばん人の定着を左右する賃金・労働条件の透明化から手をつけることです。手当や残業代の計算根拠を整理し、就業規則を実態に合わせて整えるだけでも、土台は大きく変わります。制度の細かい運用ルールは今後も更新されていくため、最新の情報は必ず公式サイトで確認しつつ、施行を待つのではなく、今のうちから労務管理を整えていくことをおすすめします。それが結果的に、外国人材にも日本人従業員にも選ばれる会社への近道になります。

当事務所の代表は、監理団体を自ら立ち上げて運営し、現在も大阪・東京の監理団体や登録支援機関を支援してきた立場から、この「雇った後」の労務を専門にしています。受け入れ現場で人が定着する会社と離れていく会社の差を、制度の外側から見てきました。何から整えればよいか迷う場合は、Zoom30分の無料相談でご一緒に優先順位を整理できます。

参考(一次情報)

よくあるご質問

2027年4月1日の施行が予定されています。2024年6月に成立した改正法にもとづく新制度で、技能実習制度に代わるものです(※2026年7月時点)。
大きな違いは目的です。技能実習は「国際貢献(技能移転)」が建前でしたが、育成就労は「人材の育成・確保」を正面から掲げます。一定条件のもとで本人の意向による転籍も認められます。
条件を満たせば別の会社へ移れるため、待遇や職場環境で「選ばれる会社」でないと人材が定着しにくくなります。賃金や労働条件の見直しが重要になります。
育成就労は特定技能への移行を前提に設計されています。原則3年で特定技能1号の水準まで育て、その後も継続して働いてもらう道筋が想定されています。
賃金・労働条件の透明化、労働時間や残業の管理体制づくり、キャリアパスの提示が柱です。制度の詳細は今後も更新されるため、最新は公式サイトで確認しながら進めてください。
受け入れ人数には上限の考え方がありますが、会社が小さいこと自体は妨げになりません。むしろ社長と職人の距離が近いぶん、待遇と育成の道筋を明確にすれば「選ばれる会社」になりやすいのが小規模の強みです。
社会保険労務士 中峯崇文

この記事の執筆・監修:中峯 崇文(社会保険労務士)

中峯社労士事務所 代表|社会保険労務士 登録番号 第27110112号採用定着士

建設業に特化した社会保険労務士として、残業対応や一人親方の移行など、現場の労務を毎月扱っています。外国人雇用では自ら監理団体を立ち上げて運営し、採用定着士として採用と定着の設計まで踏み込みます。

「うちの場合、費用と体制はどうなる?」

JAC・CCUS・賃金設計・外国人対応の就業規則——「雇った後」の労務を、監理団体役員の実態知見で整理します。Zoom30分・無料です。

ご相談で最も多いのは、社長が現場に出ている従業員5〜10人の建設会社さまです。

▼ まずは現状をお聞かせください(相談は無料です)

\ 予約ツールの入力は不要。「まず話だけ」「5分だけ電話」でOKです /

📞 電話で相談 無料相談する

建設業の就業規則・外国人雇用の労務、Zoom30分・無料でご相談ください。