社会保険の適用拡大はいつから?建設業の会社が迫られる対応
短時間労働者への社会保険の適用は段階的に拡大中で、2024年10月から従業員51人以上は適用済みです。2025年成立の年金制度改正法により、企業規模要件は2027年10月に36人以上へ広がり、その後も段階的に拡大していく予定です。今から労働時間の整理と雇用契約・就業規則の見直しを進めておくと安心です。
→ 自社の場合はどうなる? Zoom30分・無料相談で個別に整理できます従業員8人の電気工事会社。「51人以上が対象」と書かれた時点で、社長はページを閉じたくなります。うちには関係ない、と。ただ、この会社には週3日で経理を担うパートの事務員がいて、職人を2人採ればすぐ10人を超える。そして企業規模の要件は2027年10月に36人以上へ下がり、その後も段階的に広がっていく予定です。今日は関係なくても、採用で人が増えた先には自社の話になる——だからこそ、5〜10人の会社は「まだ先の話」の枠組みだけ今のうちに知っておく価値があります。
社会保険の適用拡大は段階的に進んでいて、2024年10月から従業員51人以上の会社はすでに対象です。2025年に成立した年金制度改正法により、企業規模の要件は2027年10月に36人以上へ広がり、その後も段階的に拡大していく予定です。この記事では、建設業の会社が今から何を準備すべきかを整理します(最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください)。

社会保険の適用拡大とは、何ですか?
社会保険の適用拡大とは、これまで加入対象ではなかったパートや短時間勤務の社員が、新たに社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象になることです。
対象になるかどうかは、労働時間や勤務先の従業員規模などで判断されます。週20時間以上働くパートの事務員などが、代表的な対象イメージです。「うちは現場が中心だから関係ない」と考えがちですが、事務部門の短時間勤務者が対象になるケースがあります。
適用拡大はいつから、どの規模まで広がりますか?
企業規模の要件(従業員数)は、段階的に引き下げられていく予定です。2025年に成立した年金制度改正法の内容によると、スケジュールの見込みは次のとおりです(2026年7月時点)。
- 2024年10月〜:従業員51人以上(適用済み)
- 2027年10月〜:従業員36人以上へ拡大
- その後も段階的に対象を広げ、将来的に企業規模の要件は撤廃される方向
さらに、賃金に関する要件(いわゆる「年収の壁」)についても見直しが予定されています。要件は今後も変わり得るため、この先のスケジュールは年金制度改正の最新情報を公式サイトで必ずご確認ください。ここでは「段階的に対象が広がる流れ」を押さえておけば十分です。
建設業の会社には、どんな影響がありますか?
建設業では、現場の技能者だけでなく、事務や経理を担うパート・短時間勤務者への影響を見落とさないことが大切です。
- 週20時間以上勤務するパート事務員が、新たに加入対象になり得る
- 短時間勤務の家族従業員などが対象に含まれる場合がある
- 会社の従業員規模が要件に近づくと、判断がより重要になる
「事務員さんは扶養の範囲で働いてもらっている」という前提が、制度の変化で崩れることがあります。誰が対象になり得るかを、早めに把握しておく必要があります。
保険料コストは、どう考えればいいですか?
新たに加入者が増えれば、会社が負担する保険料も増えます。ただし、負担額は対象者の報酬や人数で変わるため、具体的な金額を一律に断定することはできません。
考え方としては、次の順序で整理します。
- 対象になり得る短時間勤務者を洗い出す
- その社員の報酬をもとに、労使で分担する保険料の見込みを試算する
- 人件費全体の中での影響を確認する
大切なのは、正確な額を今すぐ出すことよりも、「対象者が何人いて、どの程度の影響がありそうか」の当たりをつけておくことです。直前になって慌てると、雇用契約の見直しが後手に回ります。
小さな会社の社長からよく聞くのが「今の状態で調査が入ったら、人件費や法定福利費が膨らみすぎて会社が持たない」という言葉です。当事務所は一人親方から従業員への切り替えを毎月のように扱っていますが、負担が重くなるのは、加入を先送りにしてまとめて来たときです。人数が少ないうちに順番を決めて整えれば、資金繰りを崩さずに着地できます。
なお、社員が新たに社会保険に加入すると、手取りや働き方に対する本人の受け止めも変わります。「加入したくないので勤務時間を減らしたい」といった声が出ることもあり、会社側の一方的な判断だけでは進みません。対象になり得る社員と早めに情報を共有し、働き方をどうするかを一緒に整理しておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。
今からやっておくべき準備は何ですか?
適用拡大への備えは、制度が動く前の「棚卸し」がすべてです。今から進められる準備は次のとおりです。
- 労働時間の整理:短時間勤務者の勤務時間が、加入要件の目安に近いかを確認する
- 雇用契約の見直し:働き方と契約内容がずれていないかを点検する
- 就業規則との整合:パート・短時間勤務者の扱いが、就業規則の記載と合っているかを確認する
とくに、パートや短時間勤務者の労働条件は、就業規則(パート用の規程を含む)と一致していることが重要です。制度変更を機に働き方や契約を見直すなら、建設業の就業規則作成とあわせて整えると、書面と実態のずれを防げます。まずは「誰が対象になり得るか」の洗い出しから始めるのがおすすめです。当事務所では、パート規程を含む就業規則の整備を顧問の基本料金内で対応しています。対象者の試算や契約の見直しは、Zoom30分の無料相談でご一緒に進められます。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」 https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html
- 厚生労働省「社会保険加入の要件(社会保険適用拡大特設サイト)」 https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/jugyouin/taisho/
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